俺の娘は、“海賊”だ。……もちろん、俺も海賊だ。赤髪海賊団って海賊団の、副船長をやっている。まだ小さくか弱い娘をこんな危険な環境には置きたくなかったが、どこかの島に置いてくるわけにもいかない。だからお頭に頼んで、この船へ乗せてもらった。今では親子揃って海賊というわけだ。

「お父さん、見て!」
「なまえ……ん? 水鉄砲か」
「ヤソップさんにもらったの!」

 最近狙撃に興味を持ったのか、なまえはよくヤソップにくっついてた。本物の銃なんかなまえには早過ぎるから、水鉄砲を持たせてくれたんだろう。こいつはしばらくいい玩具になりそうだ。上手くなれば、狙撃手の道もあるかもしれない。

「よかったな。礼は言ったのか?」
「うん! 大切にします、って言った」
「そうか……よし。俺からも後で礼を言わないとな」

 そう言って頭を撫でてやった時、メシにするぞ! とお頭から声がかかった。



「おー! なまえ、いいモン持ってんな」
「船長さん! ヤソップさんにもらったの」
「そうかそうか……って、冷てっ! こら、なまえ!」
「ハハハ! お頭がなまえに遊ばれてるぜ!」
「おい、笑うなって。相手はなまえだからって油断してたぜ…!」


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