……なまえのやつ、どこ行きやがった。
「おい、ルフィ」
「なんだ? ゾロ」
「なまえ見なかったか?」
「なまえ? さっきナミとロビンと3人で、買い物行くからって船出てったぞ」
「……そうか」
特に用があったわけでもねェが、なまえが居ねェとどうも落ち着かねェ。
「なあゾロ」
「あ?」
「なんでお前ら姉弟なのに、全然似てねェんだ? 髪の色も違ェし!」
「さあな」
とりあえずもう一眠りしようと目を閉じて座り込んだ直後、ゴツンと鈍い音が鳴る。
「痛ェっ!」
「アンタ何寝てんのよ、昼間から!」
「そうよ、ゾロ。もうお昼なんてとっくに過ぎてるんだから」
「なまえ?」
頭上から声が2つ。片方は俺を怒鳴る声(殴ったのも間違いなくこの女だ)、もう片方は呆れた声。なまえの手には、酒の瓶が。
「……なまえが酒か? 珍しいな」
「これ? 私のじゃないわよ」
「あ? じゃあ誰の……」
「ゾロが飲むでしょう?」
「…おう」
酒瓶を手渡され、早速栓を抜いて一気に飲み干す。ちらりと隣を見遣ると、なまえは楽しそうに微笑んでいた。
「あら、もう5本飲んじゃったの?」
「まずかったか?」
「そうじゃないけど……ちょっと飲み過ぎじゃない?」
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