おいおい嘘だろ。誰か、これは嘘だと言ってくれ。頼む……!

「お、前………何やってんだ」
「えへへ、ちょっと斬魄刀の卍解の練習を……して、みた?」
「何で疑問形なんだ」

 俺の妹であるなまえが、隊舎の俺の部屋の前で暴れて……いや、卍解のための修行をしていたらしい。どうやら苦戦していたらしく、俺の部屋は見事なまでにボロボロだった。

「どんな修行したんだよ」
「……思うように斬魄刀が動かなくて」
「だろーな」
「え」

 分かり切ったかのように答える俺を見て、不思議そうになまえが首を傾げる。

「俺の半分以下の霊圧と実力のくせに、卍解なんか出来るかよ。馬鹿なまえ」
「む、出来るもん…」
「……修行、してたんだろ? なら見せてみろよ、成果」
「へ?」
「卍解。未完成でもいいから、少しくらい見せてみろ」

 目の前でどっかりと座り込んで見せると、すぐに俯いて黙り込む。……出来ねーんだな、やっぱり。

「ったく、無理してんじゃねーよ」
「……」
「修行すんのは悪い事じゃねぇ、だが…怪我されても困るんだよ」
「…お兄ちゃん」
「もっと強く大きくなれたら、そのうち俺が教えてやるからよ」

 笑って頭を撫でてやると、私頑張る!と笑顔で鍛練へと走っていった。



「あ、そうだ。お兄ちゃん」
「ん? 何だ、修行じゃねぇのか? なまえ」
「ん!」
「……あ?」
「教えてくれるって、約束! 小指出して!」
「……おらよ」
「ゆーびきーりげんまん!」
「はいはい」


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