俺の妹は、俺の部下でもある。

「おい、なまえ。こっちへ来い」
「なに? 兄さん」
「……次のケンカにゃ、てめぇを連れていく。準備しとけよ」

 ケンカってのは、もちろん戦いだ。また懲りずに死神共が入ってきたらしい。前回の時点では、まだまだなまえは弱すぎて連れていく事は出来なかったが……今回は違う。
 今までずっと、この俺がなまえの斬魄刀の使い方の練習を見てきたんだからな。なまえは段違いに強くなっている。……そう認めたから、連れていくんだ。

「兄さん」
「なんだよ」
「今日、鍛練に付き合って」
「あァ? なまえに教えてやる事なんざ、もう何もねぇよ」

 頭をガシガシと掻いて言うと、なまえが腰元の鞘から刀を抜き、その刃を見つめる。そしてその目は、真っ直ぐに俺を見た。

「…ンだよ」
「私の目標は兄さんだもの」
「あァ?」

 ……何を言うかと思えば、んなこっぱずかしい事を。チッ……仕方ねぇな。

「付き合ってやるよ」
「本当?」
「……ただし、お前が地面に膝ァついた時点で俺は帰る。いいな」

 そう言ってなまえの額に指を突き付けると、強い瞳で頷いた。


 本日の練習[持久力を養う]


「はっ…はあっ…!」
「おいおい、こんなもんか? 俺の妹だろ、ガッカリさせんなよ」
「っ、まだまだっ…」


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