俺は姉であるなまえの部屋に行き、参考書を借りて宿題を済ませていた。少し強めの風が入ってきて、なんだか急に冷え込んできたな…と換気のために開けておいた窓を閉める。机に向かっているなまえの方へ目を向けると、俺が今学校で習っている内容よりもはるかに難しそうな問題を解いていた。

「寒かっただろ、窓開いてたし」
「……え? ああ……ごめんね一護。わざわざ閉めてくれたの?」
「ああ。寒くなかったのかよ?」
「ちょっと集中してたから」

 こんなにびゅうびゅうと冷たい風が入ってきているというのに、勉強に集中していて気付かなかったらしい。よくもまあ、そんなに集中して出来るもんだ。それも、毎日毎日。

「テスト近いからって頑張ってるみたいだけどよ……期間中に風邪引いちまったら、元も子もないんだぜ?」
「うん。分かってる」
「俺から見ても難しいテストだって分かるけど、あんま根詰めんなよ」

 ブランケットをなまえの肩へと掛けてやり、邪魔にならないように参考書だけ借りて、続きは自室でやる事に決めた。部屋を出ると同時に、俺もさっさと宿題済ませねーと明日の抜き打ちテストで詰むな…と肩を落とすのだった。



「なまえ、コーヒー飲むか?」
「一護。いれてくれたの?」
「ああ、角砂糖も持ってきたけど」
「じゃあ…せっかくだしもらおうかな」


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