あれ? あそこでツナ先輩をコソコソと追いかけてる……というより、尾行してるのって、まさか……!

「お、お姉ちゃん?」
「はひー! ……あ、なまえ! もう、驚かさないでくださいっ!」
「ご、ごめんなさい……何してるの?」
「今日はランボちゃんに会いたくて……ツナさんについていけば、きっとランボちゃんに会えるはずなんですっ!」

 ランボ君……? って確か、あの牛柄の服を着た小さな子だよね?

「お姉ちゃん、その子さっきツナ先輩のお母さんと歩いてたよ」
「え、そうなんですか!?」
「ねぇ…恥ずかしいから、もう帰ろ? このままじゃツナ先輩の家に着いちゃうよ」

 立ち止まったお姉ちゃんの袖を引っ張ると、うーん……と考え始めた。

「わ、分かりました……なまえがそこまで言うのなら、今日は諦めて帰りましょう!」

 手を取ってくれたお姉ちゃんにホッとしながら家路につく。
 でもきっと明日からもこの姉は、私に見つからない限り、またツナ先輩やランボ君達を尾行するんだろうな……と、少しだけ溜息を漏らすのだった。



(数日後)

「あ、やっぱり……!」
「はひー! ランボちゃん可愛いです! キュートですっ!」
「ぐぴゃぁあ! 苦し……が、ま、ん…」
「お、お姉ちゃんっ! 放してあげて!」
「なまえーっ、ランボさんを助けろっ!」
「ああ、ランボ君泣かないで…!」


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