今日のオイラ達はやる事がなくて、とても暇だ。ちょっと遊びに行こうとしたら、γアニキや太猿アニキに止められてしまった。

「なんだよ……オイラ暇なのに」
「我慢しろ。なまえに怒られるぞ」

 γアニキが、顎でなまえを指す。なまえはオイラのアネキで、オイラと一緒にγアニキ達と行動している。今日の仕事が全くないのは、実はオイラ達が謹慎処分なせいだ。ちょっとばかり飼い犬に手を噛まれた程度なのに、まさか謹慎処分になるとはな。

「野猿。あなた謹慎処分の意味をわかってる? お部屋で大人しく反省してなさいって意味よ。遊びに行っちゃだめ」
「なまえ、まだ怒ってんのかよ。謹慎になった事」
「当たり前でしょう。ほら、こっち手伝って。γさんも太猿も」
「ああ…」

 料理が出来たからと皿を持たされ、皆でテーブルへと運ぶ。そういや腹減ったな…と一口つまみ食いしてやったらすぐに見つかり、なまえが「あ!」と声を上げた。

「野猿! つまみ食いはダメよ」
「だって、腹減ってたんだ」
「仕方ないわね……γさん、あなたもね。バレバレよ」
「……気付いてたのか」
「当然です」

 なまえは軽く睨んで言うけれど、こいつが睨むのなんかオイラ達にしたら全然怖くも何ともない。γアニキなんか、「悪かったよ、そう睨むな」と頭を撫でて軽く流してるし。

「野猿、今妬いたか?」
「……え」
「俺がなまえの頭を撫でたから、だ」
「べ、別にそんな事ねーよ!」

 ――ただ少し、ムッとしただけだ!


 ……それを妬いてるって言うんだ。


「自覚なしか? お前」
「もういいよγアニキ、その話は」
「何、野猿に好きな人でもいるの?」
「ほら、なまえに変な誤解された……γアニキのせいだぜ、これは!」


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