「なまえ、シスターは?」
「寝てる!」
「ね……寝てる?」

 私が慌ただしく牛乳や卵を部屋へ運び込んだり、P子さんから野菜をもらってきたりしていたら、リクさんが近付いてきた。その後ろからは、星さんや村長も。

「シスターはもう起きてる時間じゃ…」
「ううん、ちょっと出血が」
「……ああ、出血ね」

 パパが休んでいる理由を教えると、一度「出血」を目の当たりにしているリクさんはスーっと視線をそらし、他の皆も一緒にそそくさと帰っていった。

「パパ」
「……なまえか」
「牛乳と野菜、全部運んだよ」
「…そうか、すまんな」
「あと、ステラが遊びに来てるよ」
「すまんが相手をしてやってくれ、もう少ししたら行く」
「わかった」

 まったく、パパもマリアさんとステラには弱いんだから。外に出ると、ステラが笑顔で待っていた。まあステラも性格はアレなんだけど、実は実力は私の方が若干上で、ステラから舎弟扱いされる事はない。……パパの娘で本当によかった。

「パパすぐ来るから、遊んでようか」
「ハイ! ステラ、なまえと遊びマース!」
「またタイマン?」
「ハイ!」

 ああ、パパ……早く来て。ステラ相手だと、私も力の加減が出来ないんだもの。

「シスターもう起きたかな……げっ!」
「どしたー、リクー」
「いいい今はダメです近付いちゃ! なまえとステラが日課のタイマンを!」
「何!? おい皆、避難しろ!」


 ドォオオン!


「なまえもステラも、元気だな。だがその辺にしておけ、地形が変わる」
「パパ!」
「シスター!」
「元気だな、じゃ済まされませんよシスター! 大問題ですよ!」
「? 子ども達が元気ならそれでいいだろう」
「こ、このブラザーめ!」


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