今日もスケット団の部室では、部員達が騒いでいる。その中へ入ってきた背の低い可愛い女の子……それは俺の双子の妹、なまえだ。

「失礼しまーす!」
「なまえ! 今日も来てくれたんやな? 毎日顔出しとるし、感心やわ〜!」
「ヒメコ、苦しいよっ」

 ヒメコに思い切り抱きしめられ、ふむー!と手足をパタパタさせて暴れているなまえと、そのなまえを見てヒメコをわりかし本気で止めに入るボッスン。

「ちょっヒメコ! なまえ潰れる、なまえ潰れる!」
「あ、あかん」
[なまえ、大丈夫か]
「う、うん…」

 カタカタとパソコンで話すと、なんとか大丈夫だとなまえが答えた。
 なまえまでスケット団に入るとは、最初は俺も驚いた。今ではすっかり馴染んで、ヒメコはもちろん、ボッスンからも可愛がられている。

[なまえ。そろそろ待ち合わせの時間だ]
「本当だ! 行こっか、和義」
「待ち合わせ?」
「どうせアニメやろ。スイッチの影響で、なまえまでアニメ好きとはなぁ…」
[双子だからなw]
「……なんっかムカつくな…お前……」
[羨ましいのか、ボッスンwww]
「……もういいからお前帰れよ! アニメ見るんだろ、バーカ!」
[そうだったな。行くか、なまえ]
「うん!」

 バーカ、バーカ! と叫んでくるボッスンと、それを宥めながら手を振るヒメコに見送られ、俺となまえは帰っていった。
 帰り道で、今日放送のアニメの展開予想を話し合いながら。



「ほら和義、やっぱり最後はこういう展開なのよ。私の勝ち!」
[いや、今回のはマグレにすぎない。いつもはなまえの予想は外れるからな。次回こそは俺の予想が当たるだろう]
「のぞむところよ!」

「……おーい、聞いてる?」
「電話してきておいて、そっちで喧嘩せんといてやー」
「本当何なんだ、あいつら」
「どうせアニメで変にテンション上がって、電話かけてきただけやろ。切ったろ」


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