ここは葬儀屋。双子で仲良くやっています。人は気味が悪いと言うけれど、そんなに悪い仕事じゃないのよ。まあ、確かに…独特の雰囲気というものはあるけれどね。
「なまえ、ちょっと来てごらん」
ヒッヒッ…と笑いながら奥の部屋から出てきた男が、私の手を引く。これが、一緒に葬儀屋をしている双子だ。
「何よ?」
「ごらん。ここ」
また趣味で検死をしていた彼は、私にある部位を指差して見せる。普通の人なら気味悪がるところだが、私は生憎、仕事柄慣れきっていた。
「小生が言った通りだろう? 死因はこれさ。間違いない」
「そうね。早く終わらせてご飯にしましょ」
仕事を手早く済ませて、一息つく。今日はこの1件だけで、他の仕事も来客予定もない。食べるかい? とおもむろに差し出された骨型クッキーを、ポリポリとかじる。
「今度チョコ味も作ってよ」
「考えとくよ」
キッチンで2人並んで一緒に料理を作りながら、他愛ない話をする。ドクロ型のクッキーも作ってよ、とか、フルーツ味も食べてみたい…とか。全部流されちゃったけれど。
「さ、食べようか。なまえ」
骨型ハンバーグ
「今日はずいぶん綺麗に形が出来たね」
「これは小生の力作だよ…ヒッヒ…」
「あ、添えてあるニンジンも骨型だ」
「小生特製の骨型の型抜きだよ」
「……そんな型抜き、いつ作ってるの?」
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