部活で疲れて帰ったら、家の鍵が閉まっていた。今日は姉さん達、出かける予定があるなんて言ってたかな…。予定がある日は鍵を預けてくれるはずなのに。

「! なまえ姉さん」
「あ、周助! 今帰って来た所なのよ、ごめんなさい。昼から急にバイトが入っちゃって」

 慌てて鍵を開けてくれるなまえ姉さんに続いて、家へと入る。聞けば、由美子姉さんは僕が出た少し後に用事で出かけていったらしい。

「なまえ姉さん、夕飯の準備手伝うよ」
「え、いいのよ周助! 周助も、部活や勉強で疲れているでしょう?」

 部屋で待っていなさいと笑うなまえ姉さんだって、疲れているはず。姉さんにも学校はあるし、バイトも今週は今日で5連勤。今日は緊急で入ったから仕方ないが、疲労も溜まるだろう。

「…久しぶりに手伝いくらい、させてくれないかな?」
「周助…でも」
「いいんだ。なまえ姉さんにも、たまには楽をしてほしいから」
「…ありがとう、周助。じゃあ、お願いしてもいい?」
「うん」

 ひとつ頷いてなまえ姉さんの隣に立ち、野菜の皮剥きなどの手伝いをする。ふと横目に見てみると、嬉しそうに微笑みながら料理をする姉さんが居た。



「まぁ、なまえが食事を用意してくれたの? ありがとう!」
「由美子姉さん! 今日は周助が手伝ってくれたの」
「裕太が揃えば完璧なんだけどね」

「ただいま……ああ疲れた…」
「「「あ、裕太!」」」
「な、何だよ!? うわ、姉貴抱きつくなよ!」


 久々の、兄弟水入らず。

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