僕の一番上の姉ちゃんは、なまえっていいます。

「なまえ姉ちゃん、居る?」
「居るわよ。どうかした?」

 なまえ姉ちゃんの部屋に入ると、ちょうど勉強をしている所だった。その分厚い問題集を見ただけで、なまえ姉ちゃんがどんなに難しい勉強をしているかが分かる。

「ごめん、勉強してたんだ。じゃあ後でいいよ」
「ううん。もうすぐ終わる所だったからいいのよ。なぁに? 冬樹」

 ペンを置いて椅子ごとこっちを向いて、僕の話を聞いてくれる。
 なまえ姉ちゃんは、オカルトの話も馬鹿にせずに聞いてくれるんだ。夏美姉ちゃんはこういう話はあんまり聞いてくれないし……なまえ姉ちゃんは僕の大切な理解者でもあるんだ。

「……というわけなんだ!」
「そう、すごい発見じゃない。その実例って、霊は本当にいるっていう証明にもなるんじゃないかしら」
「僕もそう思うんだ。ありがとう、なまえ姉ちゃん! もっと調べてみるよ!」

 そう言ってなまえ姉ちゃんの部屋を出ると、キッチンの方から夏美姉ちゃんが呼ぶのが聞こえた。



「お姉ちゃん、冬樹! ご飯よ」
「ありがとう、夏美。今日の料理当番は私だったのに…ごめんね? 課題が終わらなくて」
「ううん、大丈夫。課題は?」
「なんとか終わりそう。冬樹は?」
「僕はもう終わったよ、今日の宿題は理科だけだったし!」
「そう、よかった」


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