リビングのソファーで寛いでいると、妹のなまえが帰ってきた。おつかいを頼んだのは今日が初めてだけれど、ちゃんと行けたのかしら。いつも2人で一緒に行っていたから、間違って買ったりしていないか心配だわ。

「ただいま、お姉ちゃん!」
「おかえり、なまえ。どう? 頼んだものはちゃんと買えた? ひき肉のグラム数間違ったりしなかった?」
「もう…お姉ちゃん、私だってもう中学生。いくらなんでもおつかいくらい出来るわ! お肉500gも、ちゃんと買った」
「……そうね、なまえも中学生だもんね。おつかいに行ってきてくれて、ありがとう」
「どういたしまして!」

 にっこりと笑うなまえの頭を撫でてから、早速お肉を取り出して料理に取り掛かる。するとなまえが隣に立って、鍋やまな板を出し始めた。

「なまえ? いいのよ、部屋に行ってても」
「ううん、今日は手伝うわ」
「……ありがとう、なまえ」
「冷蔵庫に余ってるお肉も使うでしょ? 出しておくね」
「うん、ありがと」

 手伝ってくれるなんて……なまえも料理に興味を持ったのかしら。そのうちなまえの手料理を食べられる日も来るかもしれないわね。……そうなったら私も、少しは家事が楽になるわ。

「なまえ、それは強火で炒めてね」
「油は?」
「適当でいいわ。フライパンをこうやって回して、まんべんなく広げてね」
「分かった!」

 そうして料理をしているうちに、冬樹達も帰ってきた。一緒にキッチンに立っているなまえの姿を見て、驚いたように声を上げる。

「あれ? 今日はなまえ姉ちゃんも手伝いしてるんだね」
「なまえ殿もお料理が出来るんでありますな。これできっと、夏美殿の家事の負担も減るであります!」
「ふふ…そうね。アンタもなまえを見習いなさいよ、ボケガエル」
「お姉ちゃん、ドレッシングかけたよ」
「ありがと、なまえ」

 そうして出来上がった料理は、ハンバーグと野菜炒め、ツナをたっぷり盛ったサラダ。どれも皆が好きな物ばかり。冬樹達も目を輝かせているし、今日はなまえに感謝しなくちゃ。クッキーでも焼いてあげようかしら。

「さぁ、皆! ご飯出来たわよ!」


―――――


「わぁ、このサラダのドレッシングすごく美味しいよ!」
「それはなまえが作ったの」
「本当? なまえ姉ちゃん、これ美味しいよ!」
「ありがとう、冬樹。お姉ちゃん、またお料理教えてね」
「いいわよ。次はクリスマスのケーキでも一緒に作ろっか!」
「うん!」


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