今日は娘のなまえのために、鮎沢達が遊びに来てくれる日。もう、なまえは可愛くてさぁ、俺に似て。

「今日は美咲ちゃん来るから」
「本当!?」
「ん」

 嬉しそうに笑うこの子が、なまえ。鮎沢の事が大好きななまえは、鮎沢が遊びに来ると聞いて大喜び。……半ば無理矢理にでも、鮎沢を呼んでよかった。

「お父さん、お姉さんがたくさん来たよ」
「鮎沢達かな」

 今か今かと窓から外を窺っていたなまえが、お姉さんがたくさん来た! と騒ぎ始める。きっとそれは、鮎沢とメイド・ラテの店員さん達だろう。

「碓氷、開けてくれ!」
「はいはい。いらっしゃい美咲ちゃん」
「そ……その呼び方をやめろ! この歳になって美咲ちゃんは恥ずかしい」
「美咲ちゃん、美咲ちゃん! さつきおばさん達も!」
「なまえ、すっかり大きくなったな」

 やっぱり女の子は可愛いな! と目を輝かせながらなまえを抱きしめる鮎沢の後ろでは「お、おばさん……」とさつきさんがショックを受けていた。まあ、さつきさんもさつきさんで、その歳でメイドやってるのも、その容姿を保っているのも凄いと思うけど。

「……まあ、中入って。なまえ、美咲ちゃん達をお部屋に案内出来る?」
「うん! こっちだよ、皆!」

 鮎沢の手を引いて部屋へ入っていくなまえを見送り、俺は人数分の飲み物を用意しにキッチンへ入った。


 碓氷の娘は、碓氷


「やっぱり娘ね。彼によく似て美形」
「……何故あの男からこんなにも可愛い女の子が出来るんだ…?」
「美咲ちゃん、碓氷君の娘だからよ」
「……信じられん、信じたくない…」
「美咲ちゃん、それどういう意味? 俺じゃ不満って事?」
「ああ」
「………」


[ back ]