沖縄のてぃだが強く強く照り付ける中で、わんのねーねーのなまえが走り回っている。まったく…どぅーぬねーねーながら、ちゃがんないなぐやっさー。

「裕次郎、裕次郎ー!」
「何ね、さっきからー…」
「こっち持って、早く!」

 そう言って重そうな袋を差し出すので、渋々持ち手の片方を持ってやる。中には砂浜で採ったであろう熱い砂が入れられていて、端から時々さらさらと零れ落ちた。

「なまえねーねー、ねーねーってば」
「何ね、さっきから!」
「あんしー砂ばっかり拾って、どうするんやっさー?」
「海の家に砂場を作るためさー」
「は、砂場?」

 確かにわん達は、なま知り合いの海の家の手伝いをしてる。でも、砂場なんて作って何に使うんばーよ?

「ふらー! 海の家っていったら、わらびんちゃーがいっぱい、あしびんかいちゅーさあんに」
「…ああ、なるほど」
「砂場作って、遊ばせてあげるんやっさー。店内に砂場があれば、親子で来てもはぐれないさーねー!」
「なまえねーねー…わんが思ってたより、んなぁの事考えてるさー…」

 知り合いもこの案にのって、店内には小さな砂場が作られた。ねーねーはやっぱり、優しくてすごいさー。……こんな事、ねーねーには絶対に言わねーけどな?



「あい、なまえも居るさー!」
「凛ちゃん! 久しぶり!」
「なまえ…わんは"いきが"やっしー! "ちゃん"て言うのやめろ!」
「凛はなまえねーねーの事呼び捨てするな!」
「何ね裕次郎。ヤキモチか?」
「ちっ…違うさー! ふらー!」
「……わかりやすいさー」



―――――

※下記は個人的に調べた範囲です。違う意味や言い回しもあるかと思います。

てぃだ:太陽
わん:私、俺、僕など
ねーねー:姉
どぅーぬ:自分の
ちゃがんな いなぐ:元気な 女
あんしー:こんなに
なま:今
ふらー:バカ
わらびんちゃー:子供達
あしびんかいちゅーさあんに:遊びに来るでしょう
んなぁ:みんな
いきが:男


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