学校なんて怠い所に行ってられるか。そう思って今日もまた、学校までの道のりを途中まで行ってから、ゆっくりと歩いて引き返してきた。河原に座って目を閉じると隣でかさりと音がして、誰かが座ったのが分かった。
「…誰だ」
「仁。またこんな所で…何してるのよ」
「チッ…なまえかよ…」
「なまえ姉さんでしょ、弟のくせに」
「…てめェこそ何やってんだよ、こんな所で。学校は?」
突然現れたなまえに、背中を向けてから問う。コイツだって学校があるはずなのに、なんでここに居るんだ。
「今日は高校は創立記念日なの」
「……3日前にも聞いた」
「…覚えてるの? 嫌ね」
つまり、なまえも学校をサボったってわけだな。何だよ、俺の事なんか責められる立場じゃねぇじゃねェか。
「おい、なまえ…ちょっと付き合え」
「何するの?」
「…ゲーセン」
「パチンコはしないわよ」
「……分かったよ」
立ち上がってなまえの方を見ると、立たせてくれと手を伸ばしてくる。一度は無視するものの、じっと見つめてくるもんだから、仕方なく手を引いてやった。
「チッ…めんどくせぇな」
「仁。ゲーセンの前にご飯!」
「んな金あるかよ」
「……ゲーセンに行くお金はあるのに?」
「…おごればいいんだろ」
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