テスト期間になったので部屋で勉強をしていると、ドアが控えめにノックされた。……まぁ、それが誰かなんて分かっているんだけど。

「なまえー、開けてー」
「うん」

 ドアを開けると、そこには予想通りお兄ちゃんが立っていた。手にはたくさんのポッキーやらポテトチップスやらのお菓子。部活帰りに、コンビニで買ってきたみたいだ。

「お兄ちゃん。そのお菓子なぁに?」
「ん? ああ、なまえと一緒に食べようと思って買ってきたんだ」
「本当?」
「うん。勉強頑張ってるみたいだしねー」

 にこにこしながら部屋へと入り、小さなテーブルにお菓子を並べてから私のベッドへ座る。そしてポテトチップスの袋を開けて、パリパリと食べ始めた。

「お兄ちゃん、私まだ勉強が…」
「まぁまぁ。なまえも食べなよ」

 ポッキーの袋も開けて、こちらに差し出してくる。1本受け取ってひとくち齧ると、とても美味しく感じた。

「美味しい」
「よかった。疲れた時は甘い物って言うCー!」
「…うん、ありがとう」

 お菓子を食べながら、優しいお兄ちゃんに感謝する。甘いポッキーの味が口いっぱいに広がって、勉強疲れが少し取れたような気がした。



「お兄ちゃん、ありがとう。すっごく美味しかった!」
「また買ってくるから頑張れ、なまえ」
「うん。もうちょっと頑張ってみる!」
「よし、成績が上がったら丸井君も誘ってケーキバイキングだC!」
「…それは頑張る!!」


[ back ]