俺の双子のなまえが、大量のポッキーを買って帰ってきた。俺もどういうわけか、先輩達からポッキーやらプリッツやらをもらったけど…先輩達は何故か、皆揃って「なまえ用だ」と言っていた。……誰か一人くらい、純粋に俺にくれたっていいじゃないスか。まったく。

「おい、なまえ」
「何? 赤也」
「どういう事なんだよ。この大量のポッキーとかプリッツとか…」
「ああ、赤也知らないの?」
「は?」
「今日11月11日よ」

 言われてもさっぱり意味が分からない俺に、なまえはさらに言葉を続ける。

「あのね、今日はポッキー&プリッツの日っていうのよ? 本当に知らなかったの?」
「へー…知らなかった」
「じゃあ、何で先輩達がお菓子くれたのかも分からずにもらってたんだ…」
「ああ」
「……そう」

 するとなまえがポッキーの袋を開けて、ポキンと音を立てて食べ始める。俺も!と隣に座ってプリッツを開ける。なまえのもくれ、とポッキーに手を伸ばし、チョコたっぷりの1本を口に含む。ふと視線を上げると、なまえがこちらを見ていた。

「…何だよ」
「別に」
「…あー……」
「な、何よ」
「ポッキーゲームでもする?」

 次の瞬間、真っ赤になったなまえから全力でのパンチが飛んできた。



「なまえ…今の本気で殴ったろ…」
「赤也のばか! 何考えてるの!」
「…顔赤ェけど」
「……もう!」
「痛っ」


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