僕には妹がいるけれど、何故こうも不器用なんでしょうかね。本当にこの僕の妹なんでしょうか、この子は…。
「あ、ボール…」
あそこでボールに手を伸ばしているのが、妹のなまえ。テニスボールを拾おうとその場にしゃがめば、持っていたドリンクのボトルを落とす。さらに首に掛けていたタオルも落下。近くにいた部員が拾うのを手伝い、なまえはお礼を言って笑った。
「なまえ、またですか」
「お兄ちゃん」
ボール拾おうとしたらね、と笑うなまえに溜息が出る。まったく、そのどこかネジが緩んでいるようなところは治らないのでしょうか。
「さあ、マネージャーなんですから…しっかりしなさい」
「うん。頑張る」
へらりと笑ってボトルを持ち直し、またすぐどこかで転びそうな歩き方で、ふらふらと歩いていく。危なっかしくて内心ハラハラしながら見送るが、不安になって後を追った。
「…なまえ、やっぱり半分は僕が持ちます」
「えぇ、持てるよ!」
「無理しないで下さい。ボトルが多くて足元が見えないでしょう? なまえはすぐ転ぶんですから」
「……じゃあ、半分」
渋々僕にボトルを半分だけ渡し、コートにいる部員までの道のりを再び歩き出す。……そしてやはり、コートの入り口の小さな段差で転ぶのだった。
結局、怒る気にはなれないけれど
「また派手に転んでるだーね」
「んふっ、黙りなさい。なまえなりに気をつけていた上での結果ですから」
「こんな所に段差あったっけ…」
「…なまえ、貴女はもっと足元も確認しなさい。見ていて凄く不安ですから」
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