なまえ姉さんに頼まれた夕飯の買い物から帰ると、なまえ姉さんはソファーの上で寝てしまっていた。まったく、人に買い物頼んでおいて自分はぐっすり昼寝とは…困ったもんじゃ。
「なまえ姉さん」
「……ん…」
これくらいじゃ起きんか。クローゼットから使っていない毛布を引っ張り出してきて、なまえ姉さんの上にふわりと広げて掛けてやる。広がった暖かさに安心したのか、姉さんは毛布の端を掴んで潜り込んだ。
「せっかく買い物行ってきたってのに…こりゃ、夕飯は俺の担当になるかのぅ」
今日は姉さんが夕飯担当なのにと思ったが、寝ているのを無理に起こすのも少し気が引ける。すでに蹴って剥いでしまっている足元の毛布を掛け直してやり、自分はエプロンをつけて台所に立った。
「もう……あと1人だったのに…」
……昨夜クリアできなかったゲームの夢にうなされながら眠るなまえ姉さんを横目に見て、「本当に困った姉ぜよ」と呟きながら。
「…あれ? 雅治おかえり」
「もう夕飯出来てるぜよ」
「嘘! わ…ありがとう雅治、ごめんね」
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