任務を無事に終え、自宅へと戻る。長期任務だったせいか、少しの間長く休みを取る事が出来た。

「さてと…そういや約束してたっけな…」

 自宅の戸を開けると、目の前ではなまえがにっこりと笑っていた。すでにお洒落して玄関で待っているとは驚いたな……。

「兄さん、お疲れ様!」
「おう。ずいぶんめかし込んで、どこ行くんだ? なまえ」

 わざとらしくニヤリと笑って言ってやると、頬を膨らませて軽く睨んでくる。

「兄さん約束してくれたじゃない、次の休みは街へ買い物に連れてってくれるって!」
「あぁ、覚えてるよ。ちゃんとな」
「じゃあ早く行こ、兄さん!」
「……俺に少し休ませてくれたりはしねぇのかよ、なまえ」
「む…じゃあ、ちょっとだけなら」
「ちょっとかよ」

 もう少し休みてぇな、と少し溜息を吐くと、じゃあ今日は我慢する、と渋々言った。落ち込んで部屋へ戻っていく背中を見て、少し意地が悪すぎたかと後悔する。

「…お、おい。なまえ」
「何?」
「あー……今日は買い物は無理だが、メシくらいなら連れてってやる」
「本当!?」
「……おう」
「兄さん、ありがとう!」

 ぎゅっと抱きついてくるなまえの背をぽんぽんと叩いてやり、並んで家を出た。



「兄さん、次は一楽ね!」
「一楽で3軒目だぞ、なまえ」
「まだまだ入るもん」
「………」


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