私には、歳の離れた妹がいる。妹と言っても、親子に見られる事もしばしば…まったく、特に男どもときたら失礼な輩ばかりだからな……可愛くて優しいなまえだけが、私の癒しだ。

「姉さん?」
「ああ、なまえか。入れ」

 椅子に座ってお茶を飲んでいると、なまえがドアの隙間からこちらを覗いてきた。入るように促せば、小さなお盆を持ってやってくる。

「あれ、姉さんお茶飲んでたの? 姉さんの分も持って来ちゃったわ」
「ああ、もう無くなったからそれももらうよ。せっかくなまえが淹れてくれたお茶だしな」
「そう? じゃあ、どうぞ」
「ん」

 一口含むと、お茶の濃さは本当にちょうど良くて驚いた。この前飲んだ時には、ほとんどお湯だったからな。なまえは満面の笑みを浮かべて私を見る。……きっと、私からの良い反応を期待しているんだろう。

「腕を上げたな、なまえ」
「本当? 頑張ったのよ。加減を覚えるの」
「ああ、美味いぞ」
「よかった!」

 褒めてやれば、思っていた通りの笑顔が返ってくる。椅子から立ち上がって手を伸ばし、嬉しそうに笑うなまえの頭を撫でてやる。

「…あ、なまえ」
「何?」
「なくなった。おかわりを頼む」
「うん、分かった!」



「聞いてくれカカシ。なまえが、お茶を淹れるのが上手くなったぞ」
「…またなまえ自慢か……」
「ん、何か言ったか? カカシ」
「いや…何も」


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