私の姉さんは、とても綺麗な人で。身内ながら、里の中でも一番くらいの美人だと思っているんだけれど。こんな私の事もいつも優しく構ってくれる、大好きな姉さんだ。

「ほら、なまえ」
「何?」
「美味しいわよ、このお団子」
「え、お団子? 食べる!」

 喜んで姉さんの所に飛んでいくと、柔らかい笑顔で団子を渡してくれる。

「ありがとう」
「お団子なんて久々よね。しばらく買いに行く時間もなかったし」
「そうね…これは姉さんが買ったの?」
「いいえ、アスマにもらったのよ」
「アスマさんに?」

 お団子をくれたのがアスマさんだと聞き、美味しいのは久々に食べたからだけではない事に気付く。

「何よ、にやにやして…」
「ふふ。アスマさんの愛情も入ってるから美味しいのかな…って思って」
「え……もう、なまえ!」

 頬を赤らめる姉さんを、とても可愛く感じる。にこにこ…いや、にやにやしていると、姉さんから突然急かされた。

「もう、早く食べなさいったら!」
「姉さんったら、可愛い」
「……いじわるね、なまえは」

 照れ隠しにお茶を飲みながら、姉さんは困ったように小さく微笑んだ。


 姉さんとお団子と、愛情


「お団子美味しかったです、アスマさん」
「おう、なまえも食べたのか!」
「姉さんも喜んでましたよ」
「もう…なまえったら! でも、美味しかったわ。アスマ」
「ああ、また土産に持っていくよ」


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