僕の妹は、木ノ葉の里の忍。小柄で頭も良く身軽な彼女は今、小隊を率いる上忍だ。こうして森を歩いている間にも、彼女は僕の頭上を軽々と飛び回る。

「なまえ、あんまり飛ぶと落ちるよ」
「大丈夫! それに、もっと鍛えなきゃ」
「……そうか」

 それ以上身軽になってどうするんだと言おうとしたが、本人は色々気にしていて、最近はダイエットまでしているようだ。まぁ、元気に修業をしているに越した事はないか。そう思って微笑んだのも束の間、ずるっ、どさっ…という何とも間抜けな音とともに、なまえが落ちてきた。

「言わんこっちゃないな、まったく」
「ご、ごめんなさい」
「怪我はないね?」
「うん、ない」

 手を差し出すと、なまえが俺より一回り小さな手を伸ばす。その手を握って立たせてやり、もう走るなよと念を押した。

「歩くの遅いなぁ、私」
「なまえは走ってばかりだから、普通の歩き方を忘れてしまったんじゃないか?」

 笑って言ってやると、そんな事ない!と頬を膨らませる。

「どうだろうね」
「大丈夫、歩けるも――」

 ガッと音を立てて小石に躓くなまえを見て、本当に大丈夫なのか不安になった。


 元気すぎるのも考え物だな


「なまえはもうちょっと落ち着きなさい」
「……はい」
「膝から転んだろ? 大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
「涙目に見えるけどね」
「……本当は痛いです、とっても」
「……仕方ないな」


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