帝人:先生、顔色悪いですね

紀田:もう俺帰る

帝人:今帰っているところですよ、先生

紀田:そうだったな

狩沢:あららー、本当に疲れてるわねぇ

帝人:貯金の大半を、店やらガードレールやらの修繕費に持っていかれましたからね。校長先生にも怒られたし

狩沢:どんまーいって伝えて

遊馬崎:しかし本当、猫背になっちゃってるっすねー。紀田先生

狩沢:旅行っていうより、本当に保護者ってカンジ

帝人:先生、紀田先生

紀田:何だミカド…

帝人:狩沢先生から伝言で、「どんまーい」だそうです

紀田:うん、聞こえてた

帝人:ここ新幹線ですよ? わざわざ座席から降りて体育座りしないでください

臨也:センセー、俺トイレ行きたい。通路あけてもらえない?

紀田:くそっ…お前が静雄を挑発しなければ、俺の貯金は……

臨也:まあまあ、先生。ていうか、完全にシズちゃんのせいじゃないか

静雄:んだと?

門田:こら、帰りの新幹線でまでケンカするな! 停学にするぞ?

サイモン:ケンカ…? ケンカ ダメヨー!

静雄:げ、サイモン先生

臨也:今のうちに

静雄:あ! てめ、トイレに逃げるなんて卑怯だぞ

紀田:もう喧嘩しないでお願い…



狩沢:ねえねえねえ! どうだった? 昨夜貸した本は!

セルティ[まだ半分くらいまでしか読めていないが、なかなかいい展開だ]

狩沢:でしょ? 遊馬崎先生ー! セルティ先生が分かってくれた!

遊馬崎:本当に!? いやー、まさか先生がハマってくれるなんて!

セルティ[いや、まだハマったとは]

狩沢:池袋に戻ったら早速、一緒にアニメイトに行かない?

遊馬崎:そりゃいい! ちょうど今日は限定ポスターの配布日だし!

セルティ[い、いや…遠慮する…]

新羅:なんか僕ほったらかし…

帝人:新羅先生が遠い目を

紀田:昨日ひとりだけ部屋で隔離されたのが利いたんだな



波江:あら、紀田先生?

紀田:へ? 何でここに?

波江:何でって…私は仕事よ

紀田:ちょ、誠二くん来ませんでしたけど? 修学旅行!

波江:知らないわよ、はぁ

紀田:あからさまな溜め息! 誠二くん何も言ってませんでした?

波江:言ってたわよ。「姉さん、俺修学旅行に行きたくない」って

紀田:で?

波江:「なら行かなくていいわよ、そんな物。姉さんがうまくごまかすから誠二はここに居なさい」って言ったわ

紀田:俺にそれ暴露しちゃった時点で、ごまかせていませんが……まあいいです

波江:…………

帝人:(言っちゃった…って顔してる)



静雄:いーざーやーくーん?

臨也:なに

静雄:いつになったらトイレから出てくるのかなぁー? んん?

臨也:んー、俺の気が済んだら。もしくは……シズちゃんがトイレの前から退いてくれたらかな

静雄:俺は純粋にトイレの順番待ってるんだけどなぁ?

臨也:え、ホントに?

静雄:早く出ろ

臨也:え、リアルにトイレ行きたかったの? ごめん

(がちゃっ)

静雄:あ け た な ?

臨也:ちょっ……騙したな!

静雄:いつまで隠れてるつもりかなぁー、臨也くーん

臨也:やめ、ちょ、離せ! 離して!

静雄:嫌だね

臨也:壊れる! マジ壊れるから!

紀田:(ぴくっ) 壊 れ る ?

帝人:せ、先生?

紀田:やめろ、やめてくれ頼むから! これ以上俺を困らせんな!

静雄:離せ!

紀田:だめだ! 離したらマジでトイレ壊すだろお前!

臨也:あはは、センセー超必死なんだけど!

紀田:折原いい加減トイレ出ろ! 先生の一生のお願い!

臨也:先生この前俺が補習サボったときにも「頼むから補習出てくれ、一生のお願い!」って言ったよね

紀田:揚 げ 足 を 取 る な

門田:いい加減にしろ!

サイモン:他ノ オ客サマノ 迷惑ヨー!

門田:(もー早くこいつら卒業しねーかな…)



(池袋)

紀田:よかった…あの後は静雄が昼寝してたから、問題起きなかった…

臨也:ちょっと落書きしただけじゃーん

静雄:手前最初のバスでもやっただろうが! 消し去ってやる、待ちやがれ!

臨也:やーだね! このペン水性だって言ってんじゃーん。洗いなよ

静雄:ああ、お前を殺した後にすぐ洗いに行く

臨也:じゃあ一生落とせないねぇ

静雄:死にやがれ臨也!

臨也:またトイレに逃げよっかなぁ

静雄:上等だ、全部のドア蹴破ってやる

臨也:紀田先生泣いちゃうよ

静雄:知らねーよ

紀田:頼むからホントやめろよ? 俺もう金ないからな? あとは自腹で直せよ?

静雄:臨也ァア!

臨也:こっちこっちー

静雄:待てコラ!

紀田:聞いてねぇ……

帝人:先生、気を落とさずに

紀田:いいんだミカド…こうなったら俺はもう愛に生きる

帝人:そうですかご勝手に

狩沢:あの子紀田先生の扱い上手くなったねぇ

遊馬崎:確実に経験値上がってるっすね、そろそろレベルアップじゃないっすか? 次のレベルは…35くらいっすかねぇ?

狩沢:わざマシンで何か覚えさせてあげたいわねぇ。彼なら何が合うかしら

遊馬崎:竜ヶ峰ってくらいだから、ドラゴンタイプどうっすか? ほのお、みず……あ! 草食男子っぽい外見だし、くさタイプもアリかもしれないっすよ!

狩沢:私的には、みずタイプかしら……でんき…は違うわよね

帝人:生徒を勝手に題材にして、何の話をしてるんですか

紀田:それよりあのケンカ止めるの手伝って…

門田:まあ、無事に帰ってこれたし、池袋には着いてんだから。いいんじゃねーか? 解散、解散。

紀田:え、この状態で?

門田:俺は帰って寝る



新羅:さあ。僕らも愛の巣へと帰ろうか、セルティ。昨夜の寂しさを埋め合おうじゃないか!

セルティ[寂しかったのはお前だけだろう、新羅。私は結構楽しかったぞ。それに、狩沢先生から借りた本の続きが気になるからな。私はまだ寝ない]

新羅:くっ……なんだか自立しちゃったねセルティ…僕は寂しいよ、すごく…!



臨也:わ、自販機投げないでよ! 今日で壊すの何個目だと思ってんのさ!

静雄:うおぉあああ!

臨也:危なっ!

静雄:避けんなぁああ!

臨也:ほら、このコンビニでチロルでも買ってあげるから! 今日ぐらい見逃してよ

静雄:ああ…今死んでくれると約束すりゃ見逃してやるよ

臨也:それは無理なお願いだな

静雄:じゃあ死ね

臨也:理不尽だなぁ…とりあえず…

静雄:んー?

臨也:その看板はやめない?

静雄:それは無理なお願いだなぁー

臨也:あはは……だよ、ねぇっ

静雄:てめ、逃げんのか臨也ぁあ!

紀田:もういい知らない! 俺も帰る!

帝人:今日も平和だなあ、池袋は


そう、これが池袋の平和。

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