新羅:さあ皆、登るよ!

波江:なんで登山なんかしなくちゃいけないのよ

新羅:いや、家族でさ……思い出ほしいなって…

波江:だからってなんで登山なの?

誠二:でもたまにはいいよね、空気もおいしいし…緑が綺麗だし

波江:そうよね誠二、たまにはいいわね。あ、水はちゃんと持った? 水分補給は大切よ。何なら姉さんのもあげるわ

誠二:水ならちゃんとあるよ、姉さんこそ水分ちゃんと取らないと

波江:なんて優しいの、誠二…!

京平:……本当に登ることになるとはな…

セルティ[ごめん京平。新羅のやつ、家族で行くんだと言い張って…今回は私の言うことすら聞かなかったもんだから]

絵理華:どどどどうする!? 妖精キャラとか出てきたら!

ウォーカー:山道に迷ったところに、お助け美少女妖精キャラが出てきて道を教えてくれる展開っすね!?

京平:お前ら、疲れるからヤメロ

新羅:ほら、行くよ! 父さんについてくるんだ!

帝人:ちょっと正臣、待って!

正臣:早く来いよ帝人ー!

帝人:山道走らないでよ、危ないから!

正臣:だーいじょーぶだってっぁあう!

帝人:ああ、言わんこっちゃない!

正臣:い…痛くねえし…

帝人:はいはい、涙目で言っても説得力ないよ。父さーん、正臣ケガしたんだけど…

新羅:父さんの言うこと聞かないからだよ…だからついてこいって言ったのに

帝人:それ関係ないと思う

静雄:静かでいい所だな、山って

臨也:さてと、シズちゃんより先に登ろ

静雄:……………

臨也:痛っ! 誰いま小石投げたの! どっち? どっちが投げたの!?

千景:なんで俺まで疑われてんだよ。明らかに今の静雄だろ

臨也:お前も冷たい目してたから

千景:なんで兄貴って家族内にまで敵だらけなんだよ

臨也:知らないよ! 結局石投げたのシズちゃん?

静雄:うるせえな…

幽:……それ投げたら死ぬんじゃない?

静雄:ああ、殺すつもりだ

幽:こんな豊かな自然溢れる場所で、殺人はマズいんじゃないかな

臨也:そうだよシズちゃん

静雄:(ぶちっ) ……

臨也:ほら、あそこでウサギさんが怯えてる。シズオお兄ちゃん怖ーいって

静雄:ウサギ…?

臨也:えいっ

静雄:いてっ

幽:………俺、杏里たちと先に登ってるから。行こう、杏里

杏里:でも、

幽:いいから。巻き込まれる前に早く。舞流たちも

舞流:はーい。クル姉早く!

九瑠璃:……早、(まって)

静雄:今、手前…木の枝投げたよな?

臨也:さて、俺も登ろっかな

静雄:………

(ズサァアア)

臨也:うあああ!

静雄:さて、登るか

臨也:ちょっと! 引きずり下ろすことないじゃん!

新羅:静雄たちはおそらくそのうち来るだろうから、皆は先に登ろうねー

帝人:正臣、歩ける?

正臣:安心しろよ、擦りむいたくらいで「歩けない」とか言わねーって。心配してくれてサンキュ

帝人:いや、おんぶとか言われたら嫌だなって思っただけ

正臣:そこ素直に言わなくていいよ帝人……結構、傷つくから…

千景:ああ…慣れない山道を一生懸命登る杏里の後ろ姿。可愛い。やばい。何なら俺杏里をお姫様抱っこして登りたい。何あの可愛さ…異常なんだけど…

新羅:ああセルティ…リュックを背負って歩く姿が何て愛らしいんだ。おいしい空気、豊かな自然、そして緑の中に黒く映える首のない美女……まあ、あと子どもたちも。僕は何て幸せなんだろう…

波江:あそこで何かニヤけながらブツブツ言ってる二人のお弁当に、毒でも仕込んでいいかしら

セルティ[だめだって! 確かに二人ともちょっとおかしいけど]

京平:親父や千景がおかしいのはいつものことだろ? あれが日常だ

波江:あんな気持ちの悪い日常要らないわよ

静雄:ついてくるなノミ蟲

臨也:シズちゃんこそ、俺の前を歩かないでよ。不愉快だ

静雄:なら俺が見えないくらい離れて登れよ。5kmくらい離れろ

新羅:早く来ないとはぐれるよ

臨也:それは嫌だ!

静雄:ちょっ…待て手前!

正臣:帝人、やっぱ足痛い

帝人:知らないよ、自業自得じゃないか

正臣:お……おんぶ…

帝人:波江姉さん、正臣歩けないらしいんだけど…どうしよう

正臣:あああ歩ける、俺歩けるぞ帝人! さっきまで痛かったのにアハハハハ!

波江:嘘おっしゃい

正臣:痛! 普通蹴るかよぅ…

帝人:姉さん…山なのにハイヒールだったんだ…

波江:歩きづらいわ

帝人:なんでハイヒールを…

波江:い…いけると思ったのよ

京平:おいおい、正臣歩けねえって? 仕方ねえな…ちょっとなら背負ってやってもいいが…

正臣:ア ニ キ ー !

京平:ぐあ!

帝人:こら正臣! 元気なら歩きなよ!

京平:なんだ、元気なのか?

正臣:ううん、痛い。すごく痛い

京平:じゃあちょっとだけだからな

帝人:甘すぎるよ京平兄さん

舞流:見た? クル姉見た!? 足痛くなれば、シズ兄か幽兄におんぶしてもらえるかもしれないよっ!

九瑠璃:叱…狡… (こら、そんなズルいこと…)

舞流:幽兄、足痛いよう

九瑠璃:………呆… (ホントに言った…)

幽:大丈夫…? どこが痛いの?

舞流:このへん

幽:ふーん…痛むのがその辺なら、歩くのには支障なさそうだね。よかった

舞流:………

九瑠璃:………

舞流:幽兄は鈍感だった……次はシズ兄を狙ってみよう!

九瑠璃:……呆… (まだやるの…?)

舞流:シズ兄、足痛いよう

静雄:足? 仕方ねえな…ほら

舞流:片手で抱き抱えられちゃったよクル姉! 見て見て!

静雄:九瑠璃もか? ほら

九瑠璃:礼… (ありがとう)

静雄:ん。お前ら軽いな

絵理華:おお…シズ兄すごーい

ウォーカー:長男に負けず劣らずの兄貴っぷりっすね!

絵理華:やっぱ京兄とシズ兄は頼りになるよねー!

ウォーカー:うんうん!

新羅:……ちょっと。後ろ

絵理華:ん?

臨也:…………

ウォーカー:ありゃー。イザ兄ご機嫌ナナメっすねえ

千景:兄貴、いいことあるって

臨也:うるさい! もっとお兄ちゃんを敬え!

新羅:ほーら、スネちゃった

臨也:俺だって頼れるよ少しくらい! 俺だって双子の1組や2組、抱っこできるよ!

静雄:なら舞流か九瑠璃どっちか抱くの替わるか?

舞流:え、シズ兄がいい

静雄:おい舞流、歩きづらいから首に抱きつくな…前見えねえ

臨也:…舞流なんか舞流なんか!

九瑠璃:……… (ぎゅう)

静雄:九瑠璃、暑いから離せっつの

臨也:九瑠璃まで……

京平:………

臨也:(ちらっ)

京平:な、何だよ臨也

臨也:京平もイイのを背負ってるね

正臣:(俺か? 俺のことか?)

臨也:(くるっ)

杏里:(ぎくっ)

臨也:杏里は? 疲れてない? ねえ…………あれっ

幽:杏里、さっき足捻って…

杏里:幽兄さん、ごめんなさい…重い、ですよね…私、

幽:ううん、軽いよ

臨也:………

新羅:臨也も妹か弟をおんぶしたかったんだね…! お兄ちゃん力持ち、お兄ちゃんラブ! って言われたかったんだね…!

臨也:いや、そこまでは

新羅:わかる、わかるよ臨也!

臨也:………

帝人:はあ…

臨也:帝人もしかして疲れた? おんぶする?

帝人:まだ歩けるから。ありがとう

新羅:やんわり断られた

セルティ[なあ新羅…まだ中間休憩所にすら達してないのに、皆怠そうだぞ?]

新羅:このインドア派たちめ!

絵理華:お腹すいたー!

ウォーカー:お昼まだっすか!?

正臣:俺眠くなってきた

京平:こら、人の背中で寝るな!

誠二:美香が会いたいって…父さん、俺帰っていいかな。タクシー拾うからさ

波江:美香…? あのメス猫…!

帝人:姉さん落ち着いてよ! ノコギリ出さないで、野生の動物が怯えるから!

絵理華:あああ! やばいよ、ドラ●もんの録画忘れたかもだよ!

ウォーカー:えぇ!? 今日のドラえ●んには、映画の番宣を兼ねて特別声優出演で聖辺ルリが出るんすよ!? まずいっすよ!

絵理華:はぁああ早く帰らなきゃぁあ!

京平:いや、ド●えもんて夜だろ? 今まだ午前中だぞ

ウォーカー:その油断が命取りなんすよ!

誠二:もしもし美香? すぐ行くから

波江:………

帝人:もう姉さんを止められない

セルティ[……帰ろうか、新羅]

新羅:何しに来たんだろう僕たち…

(家族で登山計画失敗)

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