妹子:太子、お餅
太子:おっ! 餅が焼けたのか。たまには気が利くじゃないか妹子。さっそく1つ…痛っ! なんかガリっていった! ガリったんだけどこの餅! 何これェエ!
妹子:まだ焼いてませんが
太子:焼いてから持ってこんかーい! 馬鹿かお前は! 馬鹿なんだろう!
妹子:………
太子:熱ッ…あっつ!! おま、何を
妹子:太子に火鉢の灰をかけてるんですよそれが何か?
太子:何もクソもあるか! 熱いわ! 摂政の私が新年早々に火傷を負ったりしたらどうしてくれるんだ
妹子:知りませんよ、はあ
太子:なんだ今のあからさまな溜め息は! お前このっ
妹子:……殴るなら早く殴りに来たらどうですか。何そこで止まってるんですか
太子:ちょっ待っ…マジで待って。畳の目のほつれたところにジャージが引っ掛かっ…え、取れない! どうしよう! ウワアアァア私のジャージ!
妹子:落ち着いてください太子。そんなん、ここを切れば一発で…
(ざくざく)
太子:…………
妹子:どうかしましたか太子
太子:………お前…
妹子:動けるようになったんですから、少しくらい感謝したらどうですか?
太子:アホかー! ジャージの裾ごと切りやがって! ジャージの丈が左右で20センチくらい違うじゃない! こんなんで歩いてたら笑われてしまうじゃないか! このアホ、アホの妹子!
妹子:何言ってるんですか太子。そんな斬新 (で変) な格好してるのは、太子くらいですよ。最先端のファッションじゃないですか
太子:……あっ、そうかそういう考え方があるんだな? つまり私はこれから皆のファッションリィダァになるわけだな? そういうことなら許してやるよ妹子
妹子:本当馬鹿なんですね太子
太子:え? 何?
妹子:いえ別に
太子:そう? いやー…改めて見てみると、こういうジャージもなかなかいいよなあ。いい味出てるよなー…うん、こんな最先端な格好は私にしか似合わないな、なあ妹子?
妹子:そうですね。そんな (ハタから見たらボロボロで貧乏くさいだけの) ジャージが似合うのは、確かに太子くらいですね
太子:やっぱり!? そう思うか妹子。やっぱり私のカリスマ性だよな、いやー参っちゃうな! なあ妹子
妹子:まったくですね太子。カリスマすぎて僕はついていきたくないですが
太子:いやー、ちょっとコレさっそく広めてくるよ。その辺歩いてくる
妹子:本当に行くんですか太子
太子:うん、なんか自信湧いたしさ!
妹子:そんな馬鹿みたいな格好で自信が湧くんですか?
太子:えっ
妹子:あ、すみません太子。つい本音が出てしまいました…この口が勝手に。やっぱり人間の体って正直ですね
太子:………
妹子:あ、焼けてる焼けてる
太子:………
妹子:やっぱり最初はきな粉かな…いや、つぶあん…?
太子:……ウワァアア! 妹子の馬鹿ー!
妹子:あれ、お餅いらないんですか太子
太子:妹子なんか餅食い過ぎて死ね!
妹子:そうですか。じゃあ遠慮なく
太子:え、ちょ……ねえ、ちょっとくらい引き止めない? 普通
妹子:いえ。僕は自分が食べられればそれでいいですから
太子:…………
妹子:やっぱりきな粉だな
太子:…………
妹子:いただきまーす
太子:妹子のクソ馬鹿ヤローッ! ウワアアァア!
(結局太子は5分で戻り、餅を分けてくれと土下座した)
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