「東堂さん、ホント弱いなぁ」
「でも東堂さんが弱いおかげで飽きなかったですよ」
「泉田お前」
「あ、周り皆立ってますね! そろそろですね!」
「待て待て真波コラ! ひとりで詰めんな!」
「荒北さん早く早く!」
「新開、ちゃんと食い散らかしたゴミまとめろ!」
「安心しろ新開! このオレがビニール袋をやろう」
「さすがだな尽八」
「あと3分でオープンだな!」
「2分!」
「1分!」
「うおおお開いたあああ!」
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「全員、ゲートを通ったらパスポートを荒北に預けろ。“トイ・ストーリー・マニア!”のファストパスを取りに向かわせる。残りは、オレを“タワー・オブ・テラー”まで案内してくれ」
「福チャンは場所わかんねーもんな」
「任せろ寿一」
「待ってくれ! タワテラ本当に行くのか!? オレ死ぬぞ!」
「大丈夫だ尽八。ちょっと上がってテッペンまで行ったら落ちるってのが、何回か続くだけだ」
「それが怖いと言ってるんだが!?!」
「オレがついてるよ尽八」
「し…新開…」
「何感動してんだ東堂」
「いや…絶叫アトラクションでの新開が頼もしくて……」
▼
「いいか。園内はダッシュ禁止、これは厳守だ。だが、お前なら最速でファストパス発券所まで到達できるはずだ。頼んだぞ荒北」
「任せろ福チャン!」
「競歩だな」
「競歩だ」
「オレたちはゆっくり歩いて、タワテラ内の合流待ちスペースで靖友を待てばいいんだな」
「そういうことだ」
「待って先輩! チップとデールがいる!」
「何!?」
「こら、飛び出るな真波! 東堂もだ!」
「でもチップたちが!」
「写真だけ! 頼む、写真だけ!」
「仕方ないな……ゆっくり歩いてるから、撮ったら追いつけよ」
「わーいチップ! デール!」
「こっち向いてくれええ」
「あいつら子どもか」
「楽しそうだな」
「ですね」
「泉田は行かないのか?」
「もう撮りましたし!」
「そうか」
▼
「おーい、しんかーい!」
「来たか」
「見てくれ! 見てくれ!」
「オレ、カメラ目線もらいましたー!」
「そうかそうか、よかったな」
「フク! 見てくれ可愛い!」
「よかったな」
「なんかこのままタワテラもいけそうな気がしてきたぞ!!」
「そりゃよかったなァ」
「荒北。早かったな」
「福チャンたちが遅ぇんだよ」
「すまない。東堂と真波がキャラクターの写真を撮りに行っていて、ゆっくり向かっていた」
「またテメーかよ東堂!」
「いいだろ! チップとデールの写真撮ったっていいだろ!」
「見て見て荒北さん! カメラ目線!」
「はいはいよかったネ」
▼
「ここがタワテラだぞ、寿一」
「凝ったストーリーがあると聞いたぞ」
「フクはバックグラウンドストーリーまで知っているのか!」
「公式ホームページに、アトラクション紹介の特設サイトができていた」
「スマホからでも見れますか!?」
「スマートフォン専用サイトがあったはずだ」
「並んでる間に見よう」
「シリキ・ウトゥンドゥ…」
「呪いの偶像……」
「東堂さん、呪いですよ」
「呪いですって東堂さん!」
「シリキ・ウトゥンドゥの呪いでエレベーターが落下するというアトラクションだな」
「うわあああ乗らなきゃダメか!? 乗らなきゃダメか!??」
「並び始めたんだ、諦めろ尽八」
「うわあああ」
「乗ってみたら楽しいかもしれないですよ、東堂さん!」
「さあシリキと対決だ!」
▼
「う、うわああ……く、暗い…暗いぞ荒北……」
「っせーな! これからパーティーの話聞くんだから黙ってろ!」
「すごい! すごい!!」
「ちょっ真波静かに」
ガシャアアアン
「あああああ!」
「うるせえ東堂!」
「シリキが消えたぞ」
「あれは像が下に消えていると聞いた」
「どこまで調べ尽くしてんだ…福チャン…」
▼
「おお、前列と真ん中の列に分かれたな」
「なあ!! おかしいと思わないか!!」
「何が?」
「なんでオレが、泉田と真波に挟まれる形で座るんだ!?」
「何の不満がある」
「両隣ともに不安しかない!!」
「別にどこ座ったって変わんねェーよ!」
「荒北はちゃっかりフクと新開の間とかいう安全な位置に!」
「ええと…手でも繋ぎましょうか? 東堂さん」
「気を遣った表情はやめてくれ泉田」
「オレ落ちるとき手あげたいなー! パーッと!」
「やっぱり腕を貸してくれ泉田……真波は気遣いゼロだ……今はお前のその自慢の筋肉が頼りだ…」
「任せてください東堂さん!」
「シートベルトちゃんとしろよォ」
「した!! もちろんだ!!!」
「いや東堂より真波だよ…真波、シートベルトしてるかァ?」
『奥のお兄さん、シートベルトを奥まで差し込んでくださーい!』
「ほら真波、怒られてるぞ!」
「えへへ。すいませーん」
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