こたつ、xxx

※現代パロディー

今回のドラマはいまいちだな。ナマエは先ほどから頻りにリモコンを片手にチャンネルを変更していた。同じ時間帯のドラマを行き来して、結局はニュースに落ちついた。
爆発的な人気をかつて得ていた女性キャスターが真面目な顔で淡々とニュースを読み上げている。へェ、こんなことがあったんだ…とぼーっとした意識の中でナマエはニュースを聞き流していた。
ぬくぬくとしたコタツは、睡魔の誘惑で溢れている。今日は華の金曜日。明日は休日で予定もないので、夜更かしをしようと思っていたのに…
風呂上がりの火照りを冷まして、コタツに足を入れたのが最後。さざ波のように睡魔が訪れては去っての繰り返しをしている。
まだ、寝たくない。でも眠い…

「何だよ、眠いのか?」

コタツ机に伏してうんうん唸っていると、先ほどからキッチンでかちゃかちゃと鼻歌まじりに何やらしていた同居人のエースがこちらへやってきた。
風呂上がりのエースは、ナマエ愛用のヘアバンドを我が物顔で着用している。
いい加減自分のやつ買ったら?と突っ込んでやりたいが、睡魔でナマエは机にぺたりと顔をつけて視線を送るだけに留めた。
エースは片手にお盆を持って、お盆からはもくもくと湯気が上がっている。美味しそうな匂いが漂ってきて、思わず眉がピクリと反応した。
えっ。うそ…ラーメンじゃない?こんな時間に食べる?
時計の針は二十三時半をさそうとしているが、代謝おばけのエースには時間など関係ないのである。大食いな癖に、食べた物は一体どこにいっているのか不思議なぐらい、彼の身体には無駄な脂肪がない。
エースはナマエの脇腹をつま先で突いて、スペースを開けろと言ってくるが、ナマエは尻が重たくて動く気になれやしなかった。

「仕方ねェなー」

と言いながら、別の場所に行くのかと思いきや、エースはナマエの背面に座ってお盆を机に置いた。そしてナマエにおぶさるようにコタツに入ってきたのだった。

「他の場所空いてますけど」
「そうか?気づかなかったな」

そんなわけないでしょ。と溜息をついてもエースはケラケラと笑っている。出来立てのラーメンが目の前に現れて、匂いは更に濃くなって鼻孔をくすぐった。
深夜のラーメンってどうしてこんなに美味しそうに見えるんだろう…いかんいかん。
伏した顔を反対に向けて、ラーメンから視線を反らすが、ぐうううううっと情けない音が腹から出てナマエは「しまった」と口を結んだ。後ろでエースが喉を鳴らして、くつくつと笑った。

「食べるか?」
「ダイエット中だから結構です…」
「でた。ナマエのダイエット宣言。これで何度目だ?」
「今回は本当に頑張るから。誘惑しないで!」
「へー、へー。そうかよ」

適当に合図値を打ちながら、エースはラーメンに手を伸ばして背中越しに啜り始めた。
ずるずるずる。やっぱ美味ェな〜。
そりゃそうでしょうよ!と、恨めしく横目で見ればエースとばっちり目が合ってゲラゲラと笑われてしまった。くそう。

「食べるか?」
「ぐっ…いりませんよ」
「今ちょっと揺らいだだろう?」
「揺らいでません!」
「そんなに太ったか?わかんねェけどな」
「普段から女の見た目が変わったことなんて全く気が付かないんだから、エースが気づけるはずないじゃない」

そう言い捨てればエースは怪訝に眉根を寄せる。しかし直ぐに、「あァ」と何かを閃いたように声を漏らし、ラーメン鉢をお盆に戻した。

「どれどれ」
「はっ!?へ?」

エースの両手はいきなりナマエの上着と肌着を一気に捲って、その腹に触れた。柔らかい腹の肉をむにっと撫でられ、摘まれて、素っ頓狂な声をあげてしまう。

「ちょっと、やめて」
「確かめてるだけだろ?」
「くすぐったいっ!あっはは!」

体を捩るが、エースの両手に腰を固定されているので微動だにも動かない。腰の線を下からなぞられて、風呂上がりで何も纏っていない両胸を揉まれた。
「んあっ…」と自分でも恥ずかしくなるような甘い声が出てしまった。やっちゃったと慌てて口を押さえるが、肩越しに痛いほど視線が刺さってくる。恐る恐る視線を流せば、肩から顔を覗かせたエースが口元を緩めて悪戯っぽく笑っていた。

「悪ィ、勃った」

悪いと言ったのは下半身が反応したことに対してか、それともこれからセックスをしようということに対してか。ナマエが口を閉ざしたまま、ふぅとついた溜息は了承と捉えられたようである。頬に手を添えて唇を重ねられる。「OKってことだよな?」と一応許可を取るように唇は数秒だけ触れ合って離れた。

「…ラーメン伸びるよ」
「こっちのお預けのほうがキツイ」

腰に当たる猛りは、先程より硬度を増したようであった。キツイというのもあながち嘘ではないようで。ナマエはリモコンに手を伸ばしてテレビの電源を落とした。エースもさりげなくお盆をコタツ机の中央に動かした。そして、その手はそのままナマエの上着の中へ戻ってくるのであった。
胸の膨らみを下から掬い上げるように押し揉まれる。胸の先端をときおり掠められ、柔らかな電流が流れるようだ。

「んんっ…」

漏れ出しそうな甘い声を堪えるが、うなじを舐められて顎が上がってしまった。すぐさま唇が塞がれて、熱い舌が這入り込んだ。エースの舌先はナマエの口腔の中でぬるぬると動き、ナマエの舌を絡めとる。その舌に応えようとナマエも舌を動かせば、濡れた水音が耳朶をくすぐった。
エースの指腹は執拗に胸の頂だけを弄び始める。指先で弾いたり、手のひら全体で転がしたり同じ場所を愛撫されてぴくっと肩が震えた。

「…あっ…ん」

硬くなった頂を捻られて、細い声が漏れると唇は唾液の糸を引いて離れた。

「…ベッド…いかないの?」

荒い息を漏らしながら問いかける。エースは蕩けたナマエの顔に満足し、口角を上げた。

「いかねェよ?」

そんな、と口を開く前に、ちゅうっと口を吸われてしまった。エースの右手は腹を滑りおり、パジャマとショーツを持ち上げ秘所へと侵入した。蜜ですっかり濡れた割れ目を広げられ、指が差し込まれる。胎の奥から溢れる蜜を掬いあげながら、襞を擦り進んでいく。

「あっちぃな…」
「ん、あっ、もう、コタツ出たい」
「はっ、コタツのことじゃねェよ。お前のココが熱いんだ」
「バカ、じゃないの…んんっ」

指が増やされて、襞を左右に押し広げられた。節のある指が折り曲げられ、ナマエの一番感じる場所に到達する。その一点を攻めるように指を小刻みに上下に動かされ、押し寄せる疼きにたまらなくなって、ナマエは机に突っ伏した。
逃すかよ、とエースは呟いて、空いた左手でナマエの胸の先端を抓りあげた。

「だめっ…やだっ…」

エースは突っ伏したナマエの背に覆い被さるように体をくっつけて、さらに執拗に刺激を与えた。耳朶まで食まれて、もうどこに意識をやればわからない。

「ん…ふっ…」

押し寄せる快楽の波に呑まれて、ナマエは一気に絶頂へ登っていく。

「イけよ」

熱を孕んだ吐息を耳にかけられた。悦を含んだ声に悔しさを覚えるが、彼の表情を伺う余裕など無かった。

「だめ、あっ、あぁっ」

目の前をちかちかと星が飛び、ナマエは揺蕩う意識の中で絶頂を迎えた。
背筋からつま先まで走る痺れを短い呼吸を繰り返して沈めようと試みる。しかし背後から唸るような吐息を感じた。何度も彼に抱かれている身体は、それだけで更に熱を上げていく。
ぬちゃっ、と溢れた蜜を纏わせた指が引き抜かれる。腰を持ち上げられ、パジャマとショーツを腿の中ごろまで下ろされた。猛々しく反り立ったエースの熱の先端が膣の入り口に触れ、ぬちっと音をたてる。

「腰、そのまま上げておけよ」
「ゆっくり…して」
「わかってるよ」

エースがナマエの腰を引く速度に合わせて、襞がエースの熱を飲み込んでいく。熱い質量のある塊がじわり、じわりと奥へ進む感触に零れそうな声を堪えていると、急に腰を強く引かれた。一気に最奥まで到達した熱塊に、子宮の入り口をぐりぐりと押されて「いやぁっ」と嬌声があがった。

「ゆ、ゆっくりって、いったのに…!」
「っ…悪ィな…我慢できなかった」

詫びのつもりなのか、首筋にキスを落とされた。くすぐったさに首を竦めれば、ここぞとばかりに突き上げが始まった。堪らなく机にしがみつくと、大きく天板がずれた。
(あ、ラーメン…‼)
すっかり忘れていた鉢に視線をやれば、天板の端でかろうじて落下を免れている。お盆には既にスープが零れ落ちて、ナマエは冷汗をかいた。ゆるゆると指を伸ばして元の位置に引いて安堵したのも束の間、ぐんっと奥を突かれて背が反る。

「集中しろ、よっ!」
「っこぼれるっ、から」
「何、やらしいこと、言ってんだ」
「んんっ、もうっ!ラーメンのことでしょう!」
「あー、全部食ってからっ、始めりゃよかったなぁ」

他人事のように言うエースに腹がたって、振り返って睨めば愉快に笑って腰をゆすっている。

「た、タイム!」
「い や だ」
「エース‼」

怒気を強めれば、エースは口をへの字に曲げて、ようやく動きを止めてくれた。ナマエが腰を上げると、ずぷっとエースの熱塊が引き抜かれた。甘い声が漏れそうになったが意地で堪える。溢れた蜜が太腿をつたって流れるが、ナマエはお構いなしにお盆を手に取ってエースに「ん」と押し付けた。

「後でちゃんと食べる。食べ物は粗末にしねェよ」
「その心意気はよろしい」

エースは後ろ手にお盆を床に置いて十分に、十二分に距離をとった。
いいところなんだから、邪魔をするな!
と彼の心の声が聞こえるようで、ナマエは思わずぷっと吹き出してしまう。それが癇に障ったのか、エースはナマエの腕を引いて組み敷いた。女物のヘアバンドを外して、彼の横髪が前へ垂れてくる。髪の合間からナマエを見下ろすエースの瞳は獰猛だ。ああ、ダメだと頭に過った時には、汗が滲んだ首筋を舐め上げられていた。甘噛みされて、チクリっと痛みが走る。
先ほどの間の抜けたやり取りで、火照りを沈めた身体は再び甘い熱を取り戻していく。
エースの熱塊も萎えることなく、ナマエを欲していた。膝を立たされ、腿で止まっていたパジャマとショーツも問答無用で脱ぎ取られた。コタツの中に隠れた秘所に熱塊をあてがわれ、上下するよう擦り付けられる。膣が熱塊を受け入れようと入り口をひくつかせる。
コタツの熱でむき出しの下半身をじわりと焼かれるようであった。二人で腹を重ねて入るコタツは酷く狭く、エースが少し背を反らせば木枠にぶつかってしまう。必然的に身体は密着した。エースはナマエの顔横に肘をついて、ゆっくりと熱塊を沈めていく。

「はっ、なあ。なんか、さっきより、きつくなってねェか?」
「そんなの、わかんなっ、んんっ」

自分で尋ねたくせに、最後まで言い切る前に熱い唇を重ねられた。舌を引き出されて吸われ、腰の打ち付けが始まって、その気持ちよさに何も言えなくなってしまった。
体中が汗ばんでくる。もうこれがコタツの熱から来るものなのか、快楽からこみあげるものなのか区別がつかなかった。
どうしてここで、セックスしているんだろうか。こんな暑くて、狭いところで、わざわざ…。

「あっちぃな」

ついに暑さに耐えかねて、エースが寝巻きのパーカーを脱ぎ捨てた。隆々と筋肉が至るところから盛り上がった彫刻のような体が視界に現れ、ナマエの身体は更に熱くなった。強者を求める生物としての本能なのか。「この男が欲しい」と襞がエースの熱塊を勝手にしめつける。

「ぐっ…、おまっ、しめすぎだ」
「っ何も、して、ないっ」

ナマエの目の前で、エースは唸り眉根に力を入れて快楽に耐えている。笑ってばかりいる男が感じる姿を見て、ナマエは思わず微笑んだ。

「なーに、っ笑ってんだよっ」
「何でも、ない、よ」

可愛いなんていったら拗ねてしまうから。誤魔化すために、首裏に手を回して彼に口付ける。開いた唇に舌を差し入れると、もうナマエが笑った理由なんて興味がなくなったのか。エースはナマエの腰を抱き、更に二人は密着した。先程よりも深く身体の奥を穿たれ、息が詰まりそうになる。夢中で舌を絡ませ、酸素を吸い込む合間に、唾液が口の端から溢れ落ちる。

「あ……んっ……あぁ!」

絶頂が近いようであった。堪らなく彼の腰に足を絡めれば、腰の動きが速められ、痺れるような快楽が押し寄せてくる。

「んん!」

胎の奥が痙攣し、ナマエは一気に登り詰めた。
ちかちかと目の前に星が飛び、脱力してしまう。

「なあっ、もうちょっとだけ、付き合ってくれよっ…!」

エースはナマエの頭を撫でて、腰を打ち付け続ける。溢れる蜜が水音を立てて、耳朶を打った。暑い、早くこたつから出たい、でも繋がっていたい。矛盾を抱えながら何とか背中へ手を回すと、ぶるりと彼の腰が震えた。

「くっ、あぁっ」

エースはぐっと眉間に力をいれて短く唸り、ナマエの上着を捲りあげ腹の上に精を吐き出した。飛散した生ぬるい液が、腹を伝う。急に熱を失った膣はひくひくと震えて、甘い蜜を垂れ流した。
はぁ、はぁと喘いで呼吸を整えながら、エースはナマエに口づける。これで終わりだと、読点を打つように数秒唇は重なりあって、やがて離れた。
エースは机から数枚ティッシュをとってナマエの腹の精を拭き取ると、脱力してナマエの横に倒れこむ。カチッと音がして、ようやくこたつの電源を落としたようであった。

「…大丈夫か?」
「……とにかく、あっつい…」
「後でもう一回風呂入ろうぜ」
「うん…」

視線をエースにやると、彼は汗でベタついた前髪をかきあげていた。呼吸もやや落ち着いてきたのか。ふうっと長めの息を吹き出して、火照った頬を緩める。

「でも、まあ、コタツも悪くなかったな」
「……馬鹿じゃないの!?」

コタツの中に隠れた足をつま先で小突いてやれば、エースはケラケラと笑った。
きっと、また近いうちにコタツで事に及ぶ予感がして。ナマエはこれから、コタツに入るたびに今日の事を思い出すのではないかと内心頭を抱えた。
もうコタツ布団片付けようかな…。
けれどまだ春の兆しは見え始めたばかりで、コタツなしでは早朝と夜の冷え込みを乗り越えることは難しそうであった。あと一ヶ月ばかり、彼の熱がここで滾らない事を願うばかりである。

「ラーメン食べなよ」
「おっ、いっけね。忘れてた」
「もう伸びてるんじゃない?」
「伸びてても美味いからいいんだ」
「そんなことある?」

エースはコタツからむくりと起き上がり、上掛けの中に腕を突っ込んだ。二度目の挿入の際にコタツの中で彼もズボンを下着ごと脱ぎ捨てていたようだ。
暖をとるコタツの中で、素っ裸でいる姿は何とも滑稽だった。ナマエも同じく下半身は剝き出しで、人のことは決して言えないのだが…。
エースの手は隠れているのをいいことに、ズボンを探す振りをして先ほどから何度もナマエの胸や腹にいやらしく触れてくる。
全く先人たちはとんでもないものを発明したと感心してしまう。
調子に乗った手が上着の中に侵入してきた。思いっきり抓ってやると「いってェ!」とエースが悲鳴を上げたのでナマエは布団で口元を覆ってほくそ笑んだのである。