そうして言葉を飲み込んだ
「なぁ、ペンギン」
「何です?」
「"アレ"が欲しい」
そう言ってローが顎で指し示した先には、楽しそうに笑い合う二人の青年がいた。
まだ少年とも言える風貌の青年達に、ペンギンは心の中で手を合わせ、「どっちをですか?」とローに尋ねる。
「赤い方」
「あぁ……」
もう一度青年達に視線を戻したペンギンはへぇ、と納得する。
青年達の足元には夥しい量の血液が広がっていた。
銅色の髪の、キャスケット帽子を被った青年と、青髪の背の高い青年。
確かに、アレはローが欲しがるだろう、と。
銅色の髪の青年。
その笑顔は、自分たちと酷似していたから。
それにしても、とペンギンは思う。
「(ローに目をつけられるとは、ついてないな)」
バラされるのが嫌なので本人がいるところでは何も言わないが、キャスケット帽子には深く同情する。
「(だがまぁ……、お前を手に入れたらきっとしばらくは機嫌がいい)」
だから、俺たちのために生贄になってくれ。
「行くぞ」
「はいはい」
唯我独尊なキャプテンに急かされてペンギンは仕方なく二人の青年を視界の隅におさめながらそのあとをついて行くのだった。