防寒帽子とキャスケット
「ペンギーン、早く行こーぜ!」
どうしてこいつはこんなにも可愛いのだろうか、いやだってそれキャスケットだもんと(ややキモチワルイ)自問自答をすること早三年。
出会った当初からキャスケットの可愛さは変わらず、俺のこの胸の高鳴りもまた三年という歳月が流れても変わらない。
あいつが笑うたび。
俺の名を呼ぶたび。
俺に触れるたび。
あいつの腕を引き、俺の腕の中へ閉じ込めてしまいたいと何度願っただろうか。
どこが好きか、なんて言い表せないし、言うつもりもない。
ただ、しいていうなら、笑ったときにできるえくぼや、銅色の癖のある髪や、戦闘時に見せる狂気の片鱗。
それら全てが俺の好みにどストライクだったというか。
「ペンギーン?どしたー?」
気がつけば目の前に、常に俺の悩みの種であるキャスケットがいて。
だから、言い訳をするなら、ただ可愛かったと、それしか言えない感じで。
俺が我に返ったときには、キャスケットの唇を奪っていた。
マシュマロのような、柔らかさ。
軽いリップ音の後、ちらりとキャスケットの顔を見れば、目を丸くして、固まっていた。
…惚けた顔も可愛いな、と少し考えたところで、俺の意思を無視して、勝手に俺の手がキャスケットを抱きしめていた。
銅色の癖毛の向こうで、船長とその恋人のアイリが驚いたような、それでいて嬉しそうな表情を浮かべていた。
「すまない、だが、可愛いお前が悪いんだ」
とちょっとだけ責任転嫁したところで、キャスケットは俺の体を強く抱きしめた。
あだっ、いだだだだだ。
細身なのに意外に力が強いところも好きだ。
「俺だってペンギンが好きだ」
あれ、俺、口に出したっけ?
「……全部声に出てる」
「………まぁいいか」
聞かれて困ることも無いしな。
甘えるように、俺の胸に顔をうずめるキャスケットが愛しくて愛らしくて、愛おしい。
そして俺たちは再び唇を重ねた。
君は俺のシンデレラボーイ!
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