murmur

●●● ディルムッドと一緒に映画館バイト
旧サイトからのサルベージ4。
文面上の不都合で(前サイトの)連載夢主の名前を借りています。変換機能がございませんので、地雷の方はご自身で自衛して頂きますようお願いします。

ちなみにデフォルト名を変更した理由は特にないです。強いて言えば語感が可愛かったからです。



連載夢主の名前をそのまま引用しています。



「……あの、ディルムッドさんって、」
「うん?――――はい、空の容器はこちらに。ありがとうございました」
「あっ、ありがとうございましたー!残ったドリンクとポップコーンはテーブルの上にお願いしまーす」
「ありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい」
「あり…え、ポップコーンの袋ですか…?えっと、ちょ、ちょっとお待ち下さいね、ディルムッドさんディルムッドさん…!」
「ん?」
「ポップコーンの袋ってどこにあるんですか!?」
「ああ、飲食売店までお願いします」
「だそうですすみませんお願いします!ありがとうございました…!」
「ありがとうございました。折花、それで?」
「容器はそのままテーブルにお願いしますー!ありがとうございましたー!……えっと、そう、ディルムッドさん、卒業したらどうするんですか?って…お気をつけてお帰り下さーい」
「ああ、そのことか。……お忘れ物のないようご注意下さい、ありがとうございました」
「ありがとうございましたー、お気をつけてお帰り下さいませー」

しまった、完全にタイミングを間違えた。律儀に付き合ってくれるディルムッドさんの優しさが痛い。
《Fate/CINEMA》――――イタリア帰りと噂される支配人が経営するお洒落な外観のシネコンは、今日も今日とてデートスポットとして大変な人気を博している。

「平日なのに…フロアって大変ですねぇ」
「はは、折花が入ってくれて助かった」
「っ…!!い、いや、寧ろご迷惑お掛けしたような……」
「まさか。声掛けをしてくれるだけでも十分大助かりだ。…ありがとうございました、またお越し下さい」
「あ、ありがとうございましたー」

助かった。なんて眩しい笑顔で言われてしまっては、そのイケメンさを前に赤面するしかなくなってしまう。ムリです格好よすぎます。なんて言えるわけがないので、辛うじて身悶える程度にとどめておく。
イケメンなんて言葉では表現しきれないほどの美貌を携えた、イケメンの申し子と言っても過言ではないディルムッドさん。同じ大学の先輩であると共にここFate/CINEMAでのバイト仲間でもあり、……実はひそかに私の憧れの人でもある。あまりのイケメン具合に日常生活にすら支障を来すさまからスタッフ内で“輝く貌のディルムッド”と囁かれるくらいとんでもない顔面偏差値の持ち主なのだが、本人はこの顔面のせいで色々と苦労を強いられているようでどうも報われない。

「それで、卒業後のことだが」
「!」

は、と顔を上げると、空のドリンクのカップをサイズ毎に積み重ねるディルムッドさんと目が合った。差し出された手に、飲み残しを捨てて空になったカップを渡す。連携プレーが決まった気分だ。……なんて浮かれてる場合ではなかった。それ私の仕事だったわ。

「俺はそのまま院に進むつもりだ」
「え、院ですか?冬木の?」
「ああ。うちの家系はそういう部分に少しばかり厳しくてな」
「へえ…」

意外だな、と思ったけれど、確かディルムッドさんのお父様は高校教師だったなと思い出す。そのお父様の勤める私立高校の学長の娘さんがディルムッドさんのお母様で……って、あれ、実はすごいお家柄の息子さんだったりするのではなかろうか。やばい完璧じゃん、どこまでスパダリなのこの人。

「よし、もうこっちは片付きそうだ。また何かあったら頼ませてくれ」
「あ、わ、も、勿論です…!えっと、じゃあ自分のセクションに戻ります」
「?大丈夫か?」
「大丈夫です!!失礼します!!」

考え事をしていたせいで上擦った声になってしまった。恥ずかしい。弁解しようとも考えたが諦めた。あんまり雑談で作業の邪魔をするわけにはいかない。私の担当している窓口は平日なんかは比較的暇なうえ座りっぱなしのため雑談に花を咲かせることもあるけれど、フロアは常に劇場内を歩き回っているイメージだ。もう少ししたらまた入場が始まるのだろうし、窓口にウェイバーひとりの状態が続いているのも心配だった。今日は支配人がまだ帰っていないから、遅番で入っているはずの窓口セクションの担当マネージャー……切嗣さんを頼りにできないのだ。お願いだから支配人は早く帰ってほしい。

「あ、」
「はい?」

何か忘れ物でもしたっけ…?慌てて振り向くと、丁度インカムに手を翳してシーバーを聞き取っているらしいディルムッドさんが「承知しました」と返しているところだった。うわあもうめちゃめちゃ格好良い。いいものが見れたぞ。悲しいかな、ウェイバーだとこうはならない。

「すまないな、指示が飛んで」
「全然っ!どうかしました?」
「いや、大したことでは無いんだが…少なくともあと二年はここにも大学にもいる予定だからな。今後とも宜しく頼む」
「……はいっ!こちらこそ!」

憧れの人に改めてそんなことを言われて、嬉しくないわけがないのである。






この記事(リンクありません)のネタ

これでいくとパッパとマッマの年齢がどう考えてもおかしいことになるので、めちゃくちゃ若く見えるってことでひとつ…。
//// 412(2017)


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