そもそも私はセックスという行為が好きではなかった。



これからそういうことがはじまるという合図のようにキスを交わし、おざなり程度の早急な愛撫、咥えさせて唾液で濡らしたら突っ込む。その後はただただ腰を振られる衝撃に耐えるだけ、それが私が知っているそれで、元彼しか経験のない私にはそれが正しいセックスだと思っていた。


広々としたベッドの上で胡座をかく竜胆くんの上に抱えられ前にいる蘭くんとの間に挟まれている私の頭のなかは混乱していた。


自分が知るセックスは一対一のもので、二対一の現状とは勝手が変わるのとは思っていたが、それにしては私の知っているそれとは違い過ぎないだろうか。


竜胆くんに後ろから耳の淵を舐められているため少し息が上がっている状況で蘭くんの唇舌が胸元や頂きを愛撫する様子を眺めていた。
敏感な先端をやんわりと舌や指で弄ばれている。


私の視線に気付き目があった蘭くんはそのまま目線を私に向けたまま、ちゅ、ちゅ、と胸元を吸い上げた。

蘭くんの唇が離れた場所は赤く鬱血痕が見えた。


「俺、キスマークなんて初めてつけるわ」


その跡を眺める藤色の瞳が嬉しそうに細められた。


そんな蘭くんに目を奪われていると、まるでこっちにも意識を向けろと言うように耳の淵を舌でなぞっていた竜胆くんの歯が耳殻に立てられた。

いっ、と突然襲った痛みに驚き竜胆くんの顔を覗き見れば淡藤色の瞳と目が合い「にいちゃんばっか見てんなよ」と不機嫌そうな声色で今度はねっとりと舐められる。


「なまえは蘭ちゃんの顔好きだもんなァ?」


いつの間にか胸より下、お腹の方に下りてきていた蘭くんが、天使のような顔でにこりと笑い、そのまま何を思ったか座らされた状態のため潰れている臍の溝に舌を入れた。
そんな場所を舐められるという初めての経験に体がびくりと跳ねる。


「兄ちゃんの顔が好きなら俺のことも好きってことじゃん」


その様子を見た竜胆くんは自分も負けじと耳の穴に舌を入れて舐め回してくる。






その後も身体中を2人に舐めまわされた私は息も絶え絶えにそっとベッドに横たえられた。



私の足元側に蘭くんがまわるのを確認した竜胆くんが「あ、兄ちゃんずりぃ」と非難の声を上げた。
そんな竜胆くんの頭を軽く撫でた蘭くんは私の膝を割り開くと、隠されていた付け根にそっと手を伸ばす。


「最近会えてなかったんだから今日は蘭ちゃんの番な〜」


くちっ、と粘度のある水音が響き羞恥心で顔が熱く赤くなる。



「身体中舐められて気持ちよかった?すっげぇ濡れてる」



蘭くんの長い指が数回そこを撫でると、おもむろにツプリと中に入れられ、指は奥には進まず浅い部分をくすぐるように往復する。


私の左隣に寝転がった竜胆くんは口づけながら胸の膨らみを揉みしだいた。
主張するように勃ちあがっていた先端の頂きを指でピンと弾かれ体が震える。



「んぅっ、も、やっ」



自分の体に襲いかかってくる初めての快感に頭がついていかず、ただただ情けない喘ぎ声が口から洩れる。

くぷっと私の中から指を抜いた蘭くんは膝を立てた私の足の間に顔を埋めた。

生暖かい息が想像もしなかった場所にかかるとぬるりとしたものが同じ場所を這った。



「んんんんんぅ!」



驚きと衝撃で叫ぼうにも竜胆くんに口を塞がれておりくぐもった声しか出ない。

唇を離して欲しくて竜胆くんの胸元をどんどんと叩けば、名残惜しそうに竜胆くんの唇が離れた。
その隙に自分の股ぐらにいる蘭くんの頭をそこから離そうと力の限り押す。


「やっ、らっ、蘭くんっ!そんなとこ汚いっ」


全力で蘭くんの頭を押しているのに問題のそれはピクリとも動かない。

股の間から顔を覗かせた蘭くんはもう一度ぺろりと伸ばした舌先でそこをひと舐めすると楽しそうなオモチャを見つけたように笑った。


「なに、クンニされんの初めて?」

「クン、ニ?」

「そ、ここ、舐められるの初めて?」



今度はちろりと舌先で小さな蕾、陰核をつついた。
突然の電気が走ったような快感に堪らず声が洩れ、身体が大きく跳ねた。
訳わからずこくこくと頷けば、「じゃあたくさん可愛がってやんなきゃな」と再びそこに顔を埋めた。


さっき触れられた部分、陰核を皮の上から優しく舐めたり、吸ったりされる。

竜胆くんは胸の先端を舐めたり、噛んだり、摘んだり、弾いたりして好きに弄ぶ。




どのくらいの時間が過ぎたのだろうか。


蘭くんが陰核を弄び、竜胆くんの指が私の中に挿れられたり、今度は蘭くんの指が私の中に入り、竜胆くんの舌が陰核を弄ぶ。

色々体勢を変えながら攻め立てられ二人に一方的に与えられる快楽でもう私の頭の中は真っ白になっていた。


「どうする?もうここでやめる?」


膣口に指を差し込んでいた蘭くんが上側の壁をぐりぐりと当て擦りながら尋ねてくる。


「んぅ、やぁっ、やめ、ないでっ」


その言葉を合図に竜胆くんの舌が離れ蘭くんの指が引き抜かれた。



「兄ちゃん、おれ、もう挿れたい」



口元を手の甲で拭いながら唯一履いていたボクサーパンツに手をかけ竜胆くんが言う。


「りんどーは耐え性ないからな」


蘭くんが笑い、私を後ろから抱え両手で私の両足を開き竜胆くんの前に向けた。








「ひっ、まっ、待って!んぅっ、イってる、ひまイってる、から」

「はっ、突く度にイってんじゃん」

「そんなに気持ち良い?」


竜胆くんのものが内側をゴリゴリと擦る。


「まっれ!りん、どぉ、くっ、まっ、てっ、なんかっ、やっ」


竜胆くんと繋がっているところからたらたらと温かいものが溢れ落ちる感覚がする。

なに?と視線を落とせばぐっしょりと濡れ、大きなシミをつくったシーツが目に入る。


「はっ、なまえ、お漏らしした?」


やらしい、と竜胆くんが耳元で囁く。


「まだ次蘭ちゃんが待ってんだからトぶんじゃねぇぞ?」


私の手を握っていた蘭くんは、与えられる刺激でつんと勃った胸の頂きを2本の指で捏ねた。



その刺激にビクビクっと体を震わせた私は、なかにいた竜胆くんのものを締めつける。

ぐぅっ、と何かに耐えるように喉を鳴らした竜胆くんは数回腰を打ち付けると薄い膜越しに白い欲を吐き出した。

吐き出した後も竜胆くんはゆるゆると抜き差しを繰り返していたが、ずるりとまだ硬さが残るそれを引き抜いた。
それすらも気持ち良くて、んぅっと声が洩れる。

使い終えたスキンを外し、その口を縛る竜胆くんを何となく眺めていたら、横から手を引かれた。



「こっち来て」



胡座をかいた蘭くんに抱えられ、膝の上におろされる。

見つめ合いながらちゅ、ちゅ、とキスを交わし、その間に膣口に熱い塊が押しあてられた。


蘭くんの手に誘導されるように腰を落とせば、ゆっくりと、でも確実に、味わうようにそれが私の中に入ってきた。



「はっ、すげっ、ナカすげぇうねってんじゃん」



さっきまで竜胆くんのが入っていたそこは貪欲に快感を求め蘭くんのものを包み込む。

下から突き上げるように腰を振られ、重力もあり正常位では届かなかったところに当てられる。



「ら、蘭、くん、やっ、これ、ふかぃっ」


「ん、なまえの奥、こうやってトントンすると」


「やっ、やあっ」


「ぎゅうぎゅう締めつけてくる」



パチパチと目の前が白く弾けるような気がして、中に入っている蘭くんを締めつけた。


そのまま優しくベッドに押し倒され、何度も中に蘭くんのものが突き立てられる。

いつの間にか隣に腰掛けていた竜胆くんは私の手を握り、手の甲に優しく唇を落とす。




「も、イく」


私のなかで蘭くんが薄い膜越しに熱を吐き出したのをぼんやりと感じながら私の意識は暗闇に飲み込まれた。






ベッドの上ですやすや眠るなまえの顔を竜胆と2人で見ながら、その柔らかい髪の毛をひとつ撫でてやる。

んぅ、と小さく寝息を乱したなまえが俺の手を捕まえへにゃりと笑う。



「あ、兄ちゃんだけずりぃ」



竜胆が空いていた反対の手を握る。

そのままなまえの右隣に寝転がると、竜胆はその反対側、左隣に寝転がる。




「やっとここまで堕ちてきた」

「もう離さねぇよ」





お腹を空かせた犬にご飯をくれ、愛情を与えてくれたお人好しななまえ。


彼女は気が付いているだろうか。


3人並ぶとき、最初から蘭は必ずなまえの右側を、竜胆は左側を選ぶ。

一つの蜘蛛を半分に分け、お互いに対になるようにその半身に刻んだ、その2つの間。

そう、なまえは最初から蜘蛛の腹のなか。







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