2017年9月某日 木曜日

グッチーと焼き肉に行ったらさ、何故か僕がトングを持たされる役に落ち着くんだよね。僕の方が立場は偉いはずなのに、これって可笑しくない?グッチーってば何様のつもり?社会人にもなって接待の文字も分かんないの?な〜んて皮肉の一つや二つを溢してやるつもりが、今、この瞬間が至福のひと時ですぅ〜!とでもいう風に幸せに満ちた表情で美味そうに肉を食われちゃ流石の僕も言葉を呑み込むよ。ま、そりゃそうだよね。豊かな牧場を伸び伸び生きた肉を僕が丹精込めて育んでいるんだから、不味いわけ無いじゃない。相手が島津先生だったらそうはならないだろうけど、すっかりグッチーに誑し込まれてるよねぇ、僕。
やれやれ、次は何処のお店にこの小さな大先生を連れて行くかな。
チーム・バチスタシリーズ 白鳥圭輔

白鳥圭輔 チームバチスタシリーズ


2017年8月某日 日曜日

「俺の気持ちを知りもしない癖に自分の事ばかりを押し付けて、何だってんだ。お前なんか知るか!」……と、突き放すように背中を向けてその場から離れていった夜のこと。こっちへ来たら許さないからな、と釘を刺すようにそっぽを向いて置きながら、本当は寂しくて堪らなくて、仕方が無かった。在るべき心と心が離れていく、生きた心地が失われたような何とも言えぬ寂寞たる物悲しさというものは、人間であろうと狸であろうとその感覚はきっと同じだろう。一人寝の夜に頭も身体も冷え込んだ。反省の温度を噛み締めながら、明日、きちんと謝らないとな。

下鴨矢三郎 有頂天家族


2017年8月某日 木曜日

お盆が明けて落ち着いた頃、知り合いの狸から手土産を貰った。どうやら無線電波の放送でも話題になっていた海の京都とやらに出掛けたらしい。黒豆が贅沢にぎっしりと詰まった小振りの饅頭は、黒豆の自然な甘味と上品な奥深さを堪能でき、思わず次に手が伸びてしまうほどお茶請けには持って来いの味である。……う〜ん、渋めの熱い茶が飲みたい。

下鴨矢三郎 有頂天家族


2017年8月某日 水曜日

ドラえもん。ピカチュウ。ぼのぼの。星のカービィ、……あと何だろう?多分沢山有るだろうけどパッと浮かんで来ないや。
何でも良いから、こう…一頭身から二頭身くらいで可愛がれるようなマスコットキャラクターを傍に置いて可愛がりたいな〜なんて思っちゃったりする程にはどうも末期症状みたいなんだよね。何が足りないって、癒やしとか安心感?そりゃあ堂島さんとこにお邪魔したら菜々子ちゃんの笑顔に癒やされるけど、甥っ子くんも居るんだし、部外者の僕が家族の輪に割り込んでお邪魔するのはお門違いでしょ。僕もそれくらいの空気は読むよ。とにかく、丸っこくて小さいものに癒やされたい…なんて思っても非現実的だし、野良猫は僕を軽快して寄り付かないし、精々有るものとすればキャベツくらいなもんだし。ハァ、なーんでこうなっちゃったかな。

足立透 ペルソナ4


2017年8月某日 火曜日

近頃の俺といえば、阿呆の血ではなく紅々とした葡萄酒が流れているのではないかとさえ錯覚するほど、すっかりその味に心酔して酒を舐める習慣が出来ていた。一隻のワイン・グラスの膨らみを色付けているのはもちろん、我らの師匠赤玉先生も首っ丈な赤玉ワインである。甘い。ひたすらに甘い。

下鴨弥三郎 有頂天家族


2017年8月某日 日曜日

結局のところ、此処の設立を考案してから完成するまでどれ程の時間を要したのかは分からない。しかし、思い募らせていた衝動を埃被るまで放置せず、ちまちまと必要資材をかき集めながらこうして形を作り上げたことは何よりも喜ばしいことである。
…何も聞かされていない兄貴たちの目に触れたら、一体どんな反応が飛び交うのやら。だが待て、暫し。此処は俺にとって第二の下鴨神社、つまりは住処であり、誰にも言えぬ秘密基地。秘密ということは口外無用、隠して然るべきなのだ。
偉大なる父、下鴨総一朗の血を受け継いだからには恐れず焦らず、突き詰められる限界点まで阿呆になってやろうじゃないか。とかく、栄えある第一幕は阿呆が阿呆である心意気を結びの言葉としよう。

下鴨弥三郎 有頂天家族