真っ白なウェーブロングが美しく、教会の戸をくぐる。
「あら、素敵なお方がおいでになられましたわ」
真っ白な神と対照的な、真っ赤なワンピースがどこか教会にはミスマッチだった。ゆっくりベンチの間を縫いながら歩く彼女に声をかけると、彼女はにこりと微笑む。
「ふふ。少し気になってお伺いしましたの。教会は、落ち着きますわね」
「あなたさまも何か神様を信仰されているのですか?」
「ええ、……あまり、記憶がないのですけれど。なんだか惹きつけられて」
「まぁ、それはきっとカミサマの思し召し、というものでございますわね」
ふふふ、と二人の笑い声がシンクロした。彼女の雰囲気はどこまでも洗練されている。育ちが違うのが、彼女自身の努力ゆえなのか。そして彼女がこの教会の戸をくぐったのは、偶然か、はたまた運命か。
「これも何かの縁でございますわ。ええ、わたくし、わたくし、イヴ・フィッツと申します。あなたさまは?」
胸の前に手を当てて丁寧にお辞儀をした。それを受ける彼女の姿は恐ろしく美しく。赤いワンピースの裾がひらりと揺れて、それはまるで散る花びらのように。
「ジュリエット・ウィリアムズ。映画女優よ」
うつくしいひと / ジュリエット・ウィリアムズ
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