よその子を140字で描写する
諸々敬称略/企画「ENMASAMASUMMER」内
▼バトラ/ロクショウ @_Pierisjaponica
その少女は憂いを帯びた瞳をしていた。真っ黒な艶のある長い髪を高いところでひとくくりにし、そしてそれは対照的な白い服によく映えた。黒い手袋が嵌められた指先が動くたび、その軌跡に目を奪われずにはいられない。なびく赤いスカートが、舞い散る花びらを想像させるようだった。
▼佐暁/きんむぎ @F_Hierophant
カランカラン、とドアが開く音が響く。その先に現れたのは優しげな笑みを湛えたバーのマスターの姿だった。目を引く赤いベストが暗い店内で揺れる。黒縁眼鏡の奥から覗く瞳が、どこか見透かしたようにこちらを向いて、そして―――気づけばもう、心の内を彼に話してしまいそうになる。
▼城谷心乃/さんみー @sanmi333_
彼は異国の物語を紡いだ。ここではないどこかの話。あるかも確かめようのない、まるで小説の中の話。彼が話をするたびに、彼の若草色の髪が揺れる。薄い唇が、細い指先のつかんだティーカップから紅茶をすする。「―――語ることはすべて本当さ」そう告げる彼の物語は、真か嘘か。
▼グラナ/K白 @Senekal_9
食べて。ザクロの実がひとつ、彼女の口に含まれてから、それは噛み砕かれ、甘い汁の香りを漂わせる。彼女は普通の女性であった。その食欲が人より優れていることを除いて。彼女は普通の女性であった。普通の、食べ物を美味しそうに食べることに長けた女性だった。またひとつ、ザクロの実が彼女の口に閉じ込められる。食べて。さあ、食べて。
▼ミハエル/赤穂 @Fla_m_m_entod
迷える人に手を差し伸べるもの。主の言葉を民に伝えるもの。彼は大天使の名を司るにふさわしい存在であった。流れるような金色の長髪は、彼の黒いし司祭服によく映えた。教会へ訪れる人々は、彼の美しさを噂した。彼には人々を救うべき天使のような優美さがあった。そしてまた一人、迷える子羊が彼の優しさに手を伸ばし、救いを求める。
▼ナート/クウ @puko_b9u
彼は万物への興味がないようにも見える。彼は万物への興味しかないようにも見える。その瞳が指すのは正面ではなく、いつもきまって右向きで、彼の興味を引くものへ向けられていた。冷めた瞳がこちらを向いたとき、それが果たして彼の興味か、侮蔑か、好意か、わからない。彼の具合はさながら猫のように自由気ままであった。
▼ジェイ/終屋 @Owawawa_R
元来、穏やかな微笑みは人々を安心させるものである。彼もまたそれを手にしたものであり、彼の神父という職業柄、それは必要なものであった。耳の下でひとくくりにされた黒髪に、赤いリボンがよく映えている。伸びた前髪が彼の色気を帯びた瞳を片方、隠した。彼の気さくさは人々の心を癒し、そして救いを与えているようだった。
▼ツバキ/おそら @osorarara19
椿の花蕾が落ちた。それは古くから親しまれる花であった。その名を持つ彼は、椿の花を頭に咲かせている。着物は白く、清潔さを表していた。そして彼の片目は、白に包まれたまま奥で眠っている。椿の花蕾が落ちた。その理由を知る者はどこにもいない。
▼ヴァレー・ブラックノーズ/にわまふ @awin_volt9
赤いペンを渡される。彼の快活さは、その見た目に反して明るすぎるほどだった。白いギプスは人々の励ましの文字で埋まっていて、遠目から見れば斑模様のようである。彼のおおよそ派手なシャツと、少し焼けた肌はどこか南の方を思い出させた。ペンのキャップを抜き、さて、何を書こうか?
▼創和レイ/夕ノ @_yuno_enm
揺れるツインテールの影が地面に伸びる。夕暮れの話だった。軽快な笑い声と、軽やかな足取りが影をはねさせる。瞳孔を見せることのない目は夕闇色すら映さない。沈む太陽のひかりが赤いワンピースをさらに際立たせて、まるで影なんてなかったことのようにしてしまう。幕が開いた。間もなくソワレが始まる。
▼菱本金魚/はしりんか @sk_ri28
ぽちゃん。金魚のはねる水音がする。紅色に染まる夕暮れの散歩道、軒先から除く透明な金魚鉢の中で、赤い生き物が優雅に泳いでいる。ぽちゃん。それは一匹ではない。ぽちゃん。泳ぐ金魚のはざまから、彼は姿を現した。「あかぁい金魚、かわいかろ?」ぽちゃん。
▼トロフィム/Does @sssDoes
にわかに焼けた肌がしっかりとした肉体をさらに引き立てる。赤い服には白い腰布が映え、歩くたびにそれは揺れた。その体躯がまた彼への誤解を招く。見るものは威圧されているかのような印象を抱く。男は誤解されやすい人だった。必要以上を語らず。しかしそれは彼の優しい不器用さの故であると、気づく者は少ない。
▼万無秋冬/未軌 @Miki_ENMASAMA
本をめくる指先が風に乗って紙の上を滑る。なんてことない日の昼過ぎ、彼は木陰で本を読んでいた。紙に映る文字を追う瞳は影を帯びた赤だった。黒く伸びた髪が彼の瞳の動きに合わせて小さく揺れていた。時折あたりの景色を伺うように顔をあげて、彼は目を休めているようだった。
▼矢澤円/斧 @OnO444
物語の主役というものは大抵、何かが秀でているもので。しかし少女は、主役というにはあまりにも普通であった。運動が得意なわけではない。勉強ができるわけではない。歌がうまいわけではない。容姿が秀でているわけではない。そう、そんな、どこにでもいるような少し男勝りな女学生が、少女の正体である。……本当に?
▼dot/マンボウ @maropipi8787
響く歌声はたくましく、美しく、伸びやかで、人々の心に染み渡るようだった。彼の歌声以外がその場から消えてしまったような。その場の人々は彼の歌声に耳をすませ、目を向け、心を捧げている。彼の背後には劇場が見えるかのよう。彼の歌声の裏にはオーケストラの伴奏が聞こえてくるかのよう。それはまるで、終わりが見えなくなるかのよう。
▼ヤクザイシ/毒味ちゃん @umn774
赤い薬箱を見たら、彼を思い出す。自らをその職業で名乗る男。違和感のある訛りと、頭の先からつま先まで妙に整えられた容姿は一見して薬売りには見せずにいる。しかしその薬箱の中には万病に効く様々な薬が並べられ、そしてなお彼の治療技術も確かなものだった。彼は紛れもなく、人々を救うものだった。
▼白鷺/ひよこ饅頭 @anmtwi
白。何者にも染まる色。何者でもない色。彼の色は白だった。その名の通り、頭から足の先まで色は白である。まるで鏡のように、目の前の相手の色を写して何者にも変化する白。彼は白だった。しかしシラサギはどこにでもいて、どこにもいない。
▼カレンデュラ・ストゥルティ/ぽめ @____pome____
彼の指がタクトを振る。音符が目に見えるように、奏でる音が踊るように。彼の指先に全てが託されている。全てが任されている。彼は大変愉快そうに、その笑顔が絶えることはない。カレンデュラ・ストゥルティは音に飢えている。音楽に飢えている。彼の空腹は止むことがない。
▼レタラ/風間 @huu2608
一羽の鷲が青空の下を舞っていた。大きく、ゆっくり旋回してその鷲は、ある一人の男の元へたどり着いた。後ろで一括りにした白髪が鷲の着地とともに揺れた。緑の瞳がゆっくり開く。男は満足げに頷くと、鷲の頭を撫でた。それがまるで彼らの約束かのように。
▼忍冬カヅラ/←マエ @ka3no0202
鼻を掠めたのは、なんとも腹を空かせる香りだった。店の戸を開けて中を除けば、赤い髪を小さく結った少年がこちらを振り返る。「いらっしゃいませ!」明朗快活な声が響く。穏やかなその笑顔に引き寄せられて、席に座った。メニューを開いて、さぁ、何を頼もう。
▼九首見譲/紀野 @ki__no__
優しいピアノの音色が耳を撫でた。その出どころを探れば、そこには一人のピアニストの姿があった。音色に合わせて体を揺らしながら、その細く美しい指先は旋律を奏でる。それはまるで誰かを慰めるような。それはまるで誰かを掬い上げるような。そして彼の胸元では小さなリングが一つ。跳ねるように揺れていた。
▼王仙/阿南 @ENM7_8
ドアの開閉に伴って、軒先のランタンが明かりを揺らした。まるで隠れ家のようなその店は、骨董商のような風貌を湛えながら茶と水煙草を嗜める場所だった。店主であろう人物がカウンター席に座っていて、彼は、柔らかな笑顔で客を迎えた。水煙草の煙がゆっくりと天井へ昇っていく。
▼志祥/來 @_Raaaaaaai_
にゃあん、と猫の鳴き声がして、辺りを見回せば、赤い首紐をつけた黒猫がバルコニーの隙間からこちらを見つめていた。奥から男が姿を現す。湯気の立つカップをもち、バルコニーの椅子に座った青年は、灰色がかった髪の隙間からこちらを見た。薄く微笑まれたせいか、その雰囲気のせいか、その場から離れるのはどこか、勿体無いような気がした。
▼ソレイユ/さくまる @29am18
それは海のようでもあり、空のようでもあり。陽の光のもとで煌く水色の髪が反射して、その笑顔をさらに際立たせた。あどけなさを残した彼の風貌は、彼を大人にも子供にも見せている。人を傷つけるのを嫌うもの。その名は太陽をかたどるもの。
▼みーコ/グレイス @wzp_Grace
頭の上のリボンが、彼女のトレードマークかのように跳ねる。そこから伸びた腰の下までの長い髪は、羽のごとく彼女の背後で舞っていた。賭博ばかりが行われるこの店の、暗い照明の中で彼女の笑顔だけが輝く。見とれてしまえばもう、ほら、みーコの勝ち。
▼甲蝶/そう @EwvyYt
男は薄い桃色の丸サングラスの奥からその薄く切れ長の双眼を覗かせていた。丁寧に切りそろえられている薄紫の髪が、耳に下がった大きなピアスが、彼の薄い唇が動くたびに小刻みに揺れる。漏れ出る薄暗い色気とともに、彼は蝶を彫るものだった。しかし彼の蝶は羽ばたくことはできない。
▼種李/404 @N0T_F0
彼は困ったように笑った。右目の泣きぼくろがその微笑みに色気を足しているが、それはまるで少年のような笑顔であった。茶トラ猫が彼の足元に擦り寄り、頭を足に擦り付ける。彼は困った笑顔を、素直な笑顔に変えて猫の頭を撫でた。「××」なんといったのかは聞き取れなかった。
▼メルシア/なつのこ @kmkm_enma
呼ばれて振り返るのは白い聖女の見習いだった。ヴェールには彼岸花のような花のコサージュが両脇に付いている。彼女の肌を隠すように、聖女服が彼女のシルエットを作り出していた。歩くたびに揺れるワンピースの裾は、半ば尻尾のように彼女の後ろをついて回る。「教会へようこそ」彼女の笑顔は聖女そのものであるような気がした。
▼黒崎奏/たばけ @tabakedayo
きちんと整えられたセーラー服が、だいぶ彼女の姿に馴染んでいた。しっかりひざ下まで伸ばされたスカートと、ハイソックスの隙間から白い肌が覗いている。快活な笑顔は彼女の明るさを、丁寧にそろえられた両手は彼女の優等生さを明示しているようだった。
▼ルカ先生/えふすけ @Fsk_enm
そこは紅茶の楽園であった。「いらっしゃい」穏やかな声が響く。鼻をかすめるのは茶葉のかおりたち。様々な種類の茶葉が所せましと並び、それぞれの香りをほのかに香らせている。奥で紅茶を淹れている青年は、小さなカップを差し出して試飲を勧めてくれているようだった。
▼植野紫穂/ころな @corona_moca1111
少女は刃物のように鋭く。触れれば一瞬で切れてしまうかのように。短く切りそろえられた髪を赤いカチューシャで止めている。その瞳孔がどこを向いているのか、我々には確かめる術がなかった。その表情が微笑む瞬間ですら、我々が見ることは叶わないのかもしれない。
▼リノ/@tc_smr
黒いキャスケットの下から覗くのは、明るい金髪だった。眉上で切りそろえられた前髪は、彼女の眉の動きとともに微かに揺れる。ニコニコとした笑顔が彼女の*を彩っていて、あどけない雰囲気が彼女の快活さを演出している。今日もまた、街のどこかで彼女の声が聞こえる。「もしかしてもしかして、お困りですかな!?」
▼ラヴェ/もみじおろし @ooooooooorsi
ぴょこんっと、頭のてっぺんの方で結わえた髪が小さく跳ねる。隠れた右目は、彼女自身ですら理解されない、彼女の秘密だった。世界を映すのは左目だけで、それでも彼女の世界は事足りているように思えた。決して片方がないことを感じさせないその天真爛漫さが、彼女を、ラヴェを、形作っている。
▼ルカ/抹殺こ @40KZ_
チョコレートを想起させる彼の肌の隙間から、鋭い眼光が覗いていた。長い睫毛が、厚い唇が、彼に女性的な色気すらも演出させている。首元で揺れることすらない重々しい首飾りが、彼の強欲さを物語るようだった。かの罪は強欲。しかしてそれすらも、許されるように。
▼二菜/夢花 @enmasama_foria
何の変哲も無い、普通の、昼過ぎのことである。そこには何の変哲も無い、普通の、学生の青年がいて、しかし名前は女性のようでもあった。見上げるほどの身長は、太陽が地面に長く影を描くには事足りていたが、彼の性格はそれと相反して優しく、謙虚で、控えめなものだった。
▼四花/庭師 @28043ENMA
聖女の色、とは、清潔さである。清純さである。まだ誰も踏み込んだことのない白である。真っ白な修道服とヴェールに身を包んだ彼女もまた、聖女の称号を我が物にするに値する人物であった。憂いを帯びたように見える瞳は、その御髪と色合いを似せているようでもある。彼女は何よりも穏やかで慈しみに溢れ、その身は神の愛で満ちている。
▼ゐと/サブレくん @sabouret_one
二つに結んだ真っ黒の髪には、赤いリボンが添えられている。一回り小さな丸眼鏡が鼻の上にちょこんと乗っかっていて、彼女の片手には必ず何かしらの書物があった。古書の匂いで塗れた店内で、赤い羽織がその小さな背中に色をつけている。一度オススメを尋ねれば、彼女はこう答えるだろう。「私オススメの書は人間失格なのです」
▼小沼薔/他中砂東 @sugar_rl
セーラー服を模した袴のような服装は、彼女を学生であると明確に位置付けているようである。本をめくる横顔が、彼女の鮮やかな金髪で彩られていた。普段はよく動く唇も、図書館の中では横に一つ結ばれている。その姿は可憐、そのもの出会った。それは沼の中に咲く、ささやかな黄色いバラのような。
▼タマキ/もこもこひつじ警察署 @flamme_limit
彼は今日も祈ります。いもしない神様へ。彼は今日も祈ります。その目的すらわからぬまま。彼は今日も祈ります。彼自身全てを捧げているかのごとく。彼は今日も祈ります。その姿は、罪の赦しを乞うかのように。彼は今日も祈ります。「俺は、これでいいから」
▼ひひる/HANIWA @Doro__Doro
太陽に照らされれば、それは眩しく照らされるであろう白い短髪に、赤い花冠が乗っている。陶器のごとく滑らかで美しい白い肌。彼女を清潔に見せるべく丁寧に洗濯された白いシャツ。足にぴったり沿った薄グレーのパンツ。そしてそこから伸びる左足は、赤。
▼スオウ/梓月 @rtl_SDK
その見た目は、男性とも女性とも言えるようであった。彼女の頭の形に沿ってふわふわと白髪が伸びている。隙間から覗く瞳が、唇が、優しげに微笑む。首から下がった十字架は彼女の信仰心を象徴し、黒い牧師服には赤いケープが垂れ下がっていた。聖職者としての彼女はもはや、完璧であった。
▼汐音/わらび餅 @warabi_sousaku
ちりん、ちりん。かの者の見た目は、さながら妖のようであった。顔に描かれた模様は、かの者の白い肌によく生えた。耳に下がる飾り物は、重そうに揺れている。ところどころ文様が散りばめられた黒い羽織を翻して、かの者は手に持った風鈴をかかげた。ちりん、ちり
▼ザジ/ウメゾノ @yomiyoumeyummy
自信ありげな表情が彼自身を物語っている。黒く艶のある長髪が、無造作に彼の後ろ姿を彩っていた。何でも屋を営む彼は自由気ままである。愉快なことを望み、好み、求めた。しかしそれでいて彼の懐は広く、まるで全てを許容してくれるかのような微笑みを湛えているのだった。
▼一陽*斗/りく @raki_mi_8
夜空に似た色の、少し長めの髪の下で赤く煌めくピアスが一つ揺れている。どこか色気も感じるその姿はショットバーの店主としてはいささか若いようにも見えた。気さくで優しく、誰にでも穏やかに明るく接する彼もまた、その影に何かを抱えていた。
▼イザナ/伽藍@Garandou05
憂いを帯びた瞳が、少し焦げた肌を彩っていた。暗い紫の長い髪には金色のリボンが絡め取られ、鮮やかに彼を追っていた。すらっと伸びた彼の体躯は、女性的であるとさえも感じさせる。そんな彼からは不思議な香りがする。それは様々な香りが混じったような香りでいて、どこにもない香りのようにも感じた。
▼フユキ/樋口 @yen_5000
彼は赤い花束を抱えて微笑んでいた。赤い、赤い、花々の隙間から覗く白く結わえられた髪が、一筋の光のような希望を与えた。いらっしゃいませ、と彼が呟けば、花々の香りがふわりと漂った。表に出る満開の、鮮やかな花たちの奥で、ひっそりと、枯れた花が眠っていることは気づけるはずもない。
▼モナ/ひょーろー @kotaku99
彼女は年齢に不相応なほどあどけなく、朗らかな見た目をしていた。足元まで伸びた、長く重い金髪は彼女が歩くたびにふわふわと揺れる。その姿がまるで可憐な花のようで、見るものを魅了する。あたりに咲く満開の花ですら彼女の可憐さをひき立てるようだった。
▼哥哥/鍋蓋 @And_becometomor
落ち着きのない動きで街を駆け回る。キョロキョロと目が動き回る。そわそわと体が動く。それが彼のトレードマークのようで、小動物のような可愛らしさすら感じた。彼の大きな目はパッチリと開き、大きな口はニコニコと笑う。彼はその場を照らすような、太陽のような少年だった。
▼巴/Fig @F_i_g_enma
てっぺんから双方に生えた三つ編みが、彼女の動くたびに揺れた。短いスカートからすらっと伸びた両足は、跳ねるようだった。大きな目はギョロッとこちらを向き、ニコニコと表情はずっと笑っている。彼女は知識を求めるように、その好奇心を埋めるように、街中を練り歩いていた。
▼鞍馬天宮/ちょろ @egg_kikaku
そのシルエットは角に似ていた。頭部にちょこんと生えた二つの小さな角。体を覆うようにして伸びた真っ白なうねり髪は、彼女の小さな体躯をすっかり隠してしまう。タレ目がちな瞳が伺うようにこちらを見ていて、その表情は動くことが少ない。それでも、彼女の紡ぐ言葉は素直なものだった。
▼メルセデス/haco. @noname_box
それは、ふわふわと、赤の世界で揺らめく白のお姫様。彼女が歩けばそこは花の香りがする。彼女が微笑めば光が射す。しかして彼女の瞳には、光が映ることはなかった。それでもなお、彼女は何かを探している。ずっとずっと愛していたもの。ただそれだけしか覚えていないもの。
▼ハヤトチトリ/雪秘円 @m_yukihime
自分に自信がないように丸まった背中があった。その顔には赤いラインが引いてある。涼しげなシャツとハーフパンツ姿がトレードマークである。彼はありとあらゆるものに魂を宿す。それはたとえ生きていなくとも、彼は万物を大切に扱っていた。
▼陸指ねむ/まえだ @maed_3py
一目見れば、彼を女性と間違えてしまうこともなくはない。男性にしては長い黒髪を顔の前に垂らし、チャイナドレスを模した短いワンピースを着ている。すらりと長い足を、ヒールの高いブーツがさらに長さを冗長させているようだった。トレードマークである三本指のピースサインは、彼自身に紛うことなく似合っていた。
▼五穹翔/生ハム @S_R1_hnt
翡翠の短髪から、彼の尻尾のように揺れる束ねた髪が伸びていた。瞳は大きく、彼の顔は幼いながらにも色気を孕んでいる。赤いチャイナ服とのコントラストが陽の光の下で、彼の明るさを演出していた。はつらつな笑顔と、口から漏れ出る方言が、彼の飾らない性格を物語っているようだった。
▼ネイサン/たろ @nNozaki0
花々の香りに混じって、甘い香りがする。お菓子と紅茶が机の上に並べられ、男性が一人優雅にお茶を飲んでいる。前髪が丁寧にあげられた黒髪の彼がふとこちらを向いた。しっかりとした体躯に黒いエプロンが想像よりもしっかりフィットしていた。花の隙間から黒猫が顔を覗かせる。月を想起させる黄色の瞳がゆっくり開いて、目があって、そして。
▼月並なのめ/ありくん @antkunkikaku2
その見た目は、さながら怪盗のようである。しかし彼は自らを占い師と名乗った。商店街に占いの館を持ち、そしてその手に持つのは水晶玉。彼はそれで運勢を占うのだという。自信ありげな彼は今日も代金を先に受け取ってから占いを始める。その結果がどうかは―――月並みな言葉だけれど―――彼の水晶玉の、調子次第。
▼クルス/とさか @tremolite_
彼は絵描きだった。世界を彩るもの。世界を小さな紙に描くもの。世界を創るもの。彼はその器用な両手を使って、瞬く間に世界を作ってしまう、そのはずだった。彼が世界を見るための目を失くしたのは、彼すらも覚えていないことだった。それでも今この世界を見ないでいられることが、もしかしたら彼にとっての幸せなのかもしれない。
▼さいとうすず/直 @tea_drip
ああ!彼女は幸せだった。ただただ楽しく。ただただ愉快で。ただただ世界を面白がっていた。痛みすらも彼女を愉快にさせる道具。ああ!彼女は自由だった。乱雑に流れた黒髪が。不自然に人工的な赤い瞳が。額に埋め込まれた宝石が、何かの枷のように、彼女を縛っている。
▼アキツ/ひぐも @higumokikaku
腰の下ほどまでに伸びる彼の長い髪が、ゆるく身にまとった和服が、彼の飄々とした性格を物語るかのように、その長く伸びた体躯の周りをゆらめいている。ひらり、ひらりと彼は手のひらからこぼれ落ちるように隙間を歩き、のらり、くらり、と彼はこの街で生きている。まるでなににでもなれるかのように。
▼花房丹頂/よよこ @e_s_s_yoyoko
ひらひらと、あかぁいリボンが頭の横で揺れる。それはさながら金魚の尾ひれのように。横結びにした黒髪と、整えられた前髪は、彼女を歳よりもだいぶ大人びて見せる。両耳にぶら下がった金魚が、彼女の尾ひれとともに跳ねていた。セーラー服にはリボンと同柄の帯が、花魁のごとく華やかに飾られていた。
▼久流伏七津/モロコシ @rati_nks
黒いサングラスが太陽に照らされて反射している。彼は教師だった。明朗快活、人より少し大きな声、どこか落ち着きのない動き、そして気さくな性格。彼は教師であるべきだった。久流伏七津という名は、教師である彼の姿だった。教師ではない彼はどこか、まるで、別人であるかのような気がしてならなかった。
▼トーコ/いちむつ @aru_gakusen
DESTINY。運命、と少女は言う。丸メガネの奥から覗くタレ目がちな金色の瞳は控えめで、腰ほどまで伸びた桃髪はたおやかに揺れている。肌は陶器のごとく白く、黒いケープが引き立てられていた。そして細い彼女の指先を縛る、絡まった赤い糸は決して彼女を運命から逃すことはないだろう。
▼フローレンス/ハッピ @PHB_enma
ハツラツすぎる笑顔だった。純白の正装は彼女が白衣の天使であることを確かに証明している。淡い茶髪を清潔に整えて、彼女は今日もまた看病に従事する。清く、正しく、美しく。彼女はそれらが大好きであった。清く、正しく、美しいものを、ただひたすらに求めていた。
▼ラトリーシャ/司令官 @dante2828
彼女は成人女性と言うにはあまりに見た目が幼かった。と言うのも、身長が極端に低いのだ。彼女をお嬢さんとして扱う人も少なくはないが、その度に彼女はムスッとした表情をこさえて怒る。それすらも可愛らしく思えるだろう。しかし彼女の歌声はまさに本物であった。ラトリーシャと言うオペラ歌手は確かに、彼女を彼女たらしめていた。
▼初鳥渚/ねむ子 @zzZ14_ESS
彼女の口からゆっくりと、白い煙が吐き出される。それはやがて彼女の目の前の空間を白く染めあげ、そして景色の中に溶け込んでいった。彼女の細く可憐な指先が、イメージとはかけ離れたとも言えるそれを口許に運ぶ。吸って、もう一度吸って、また唇の隙間から煙が吐き出された。そうしてようやく、その琥珀色の瞳がこちらを向いた。
▼とも/あいす @15icetabetai
黒いボブほどの長さの髪が、黒いセーラー服によく似合っていた。彼女は素朴な少女だった。口から漏れるささやかな方言は、彼女の温和な性格に拍車をかける。商店街で新しいアイテムを見つけては目を輝かせ、流行りのものにはすぐ飛びつく。何も覚えていない、素朴な少女だった。
▼クラウス/おとう @call_me_otou
長く黒い髪を頭の後ろの、高いところで一つに結わえている。伏し目がちの紫色の瞳が、彼の無表情さを冗長している。ぼんやりとしていて彼が何を考えているのかも、すぐにはわからないだろう。しかしひとたびピアノの前に座れば、その瞳はほんの少し輝いて見えるだろう。その指先が奏でる音楽とともに。
▼ラシェル/まの @mano_ENM
肩ほどまでに伸びた、少しうねった金髪が彼女の幼さを引き立てる。白いブラウスに、黒い胸元のリボン、それから赤いワンピース。彼女はさながら良家のお嬢様のように、清廉潔白な雰囲気を絶やすことはなかった。教会のステンドグラスの青さと彼女のワンピースの赤さが相反しているようでいて、溶け合っていた。
▼藤/ワンダフルトメ子 @18wakuwaku_kkrg
彼女はどこか、透き通った夏の青空に似ていた。弾けるような笑顔と、素朴ながら気さくで明るい性格は、彼女をひたすらに照らしていた。赤い果実の散らばる着物は、彼女が動くたびに彼女の影に赤い影を落とす。どこか不気味なほどに清々しく、暖かで、輝かしい少女だった。
▼非常口/▽ @euphoria_exit
小洒落た格好にはスマホがつきもので。パシャっとシャッター音ののちに彼のスマホの画面には実物よりも少し美化された姿が映る。流行りのもの。見つけた食べ歩きスイーツ。大好物を見つけた彼の、スマホのカメラが向けられて、もう一度。パシャり。彼の名は非常口。逃げ道しかない。
▼ぶん/*ぢ @_0x0_cc
栗色のボブヘア。頭のてっぺんには小さなお団子。スポーティーなファッションと、小柄な体躯は可愛らしさを演出する。紅潮した*は、彼女の大きな琥珀色の瞳を持ち上げるのに精一杯だ。常に彼女は笑っている。それは人の顔色を伺うかのように。それは何かをごまかすかのように。彼女は少し不器用で、少しノロマな少女。
▼ベア/琥珀 @bunasimegioisi
キャラメルヘアに大きな黒い瞳。白いブラウスに赤いフレアミニのスカート。白の靴下と赤い靴は彼女にぴったり。年相応の姿と、中身は比例して、可愛らしい少女の様相を呈している。そして背中に背負った茶色いベアのリュックは、彼女の背中から離れることはない。
▼リジマ/ガッコ @gakkon_gakkon
ラフ、というにはラフすぎる、そんな姿で彼はいる。図体がでかく、髪もひげも伸びたままの彼の風貌は、人に威圧感を与えないといえば嘘になる。が、しかし彼は穏やかで優しく、言うなれば普通の人だった。自由気ままにのらりくらりと暮らす彼の片手には、今日も残りの少ないワンカップ酒が握られていた。
▼波羅蜜回向/林檎飴伯爵 @yumisoruto
綺麗に刈られた丸坊主はそれこそお坊さんの特徴である。法衣から伸びる手には赤い手袋がはめられ、その指先は神職とは思えぬものが握られている。彼は法名のみを名乗る。それは彼が神職に従事するがゆえだけではなく、ただ単に、彼がそれ以外を迷うことなく覚えていないがゆえのことである。
▼春原梓/夕野 @18sekin0
水の色が混じる黒髪が、彼の体が動くたびに揺れた。和服のようなグレーの上着と、黒いパンツ姿。黒いマフラーを巻いたままの青年は、真っ青な空に手を伸ばしている。彼の指先には何かあって、けれどそれはよく見えなくて。太陽が雲間から顔を出し、そして照らしたのは赤いてんとうむしのブローチだった。
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