カップケーキ小惑星
でき損なったの恋ひとつ
霊界学習塾
あこがれ形した後れ毛
金曜日少しいたいけになる
春の終わりのきみ纏う香
ヘリオトロープの心臓
引き出物のネクターで献杯しようよ
真実は恒に終りに近い
光芒さす双眸

やさしく留める釦
かくも気高き傍証
ひと言ふた言がひどくあえかな
オールドヨーク物語
手折られること知らない穂

花園が静かに羽根を畳むから悲しくなって前屈をする
縁側で数年前にいちど見た まったき日日の寝転ぶ背中
液晶の中にいるきみの返事だけ真冬の踵のようにかさつく
人生は突然終わってほしいからぼくはだいたい電子書籍かな
なんとなくかつての人を思い出すエゴン・シーレに寄りかかるとき


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