どんとむーびんぐ!(1)





邂逅は突如だった。













『私の名前はオプティマス・プライム。


え?知ってる?…すまないメガトロン。
少し、いやかなり混乱している。
はっきり言うと助けてほしい。


状況を説明?
いきなり彼女が私の膝の上に現れて、いやトランスフォーマーではない。人間のようだ。
…まだ人間はもっと原始的なはずだ。現在のセイバートロン星の重力、気体の成分状態などから単体で長時間生命活動を維持出来るはずはないのだが…。どうやってセキュリティーをかいくぐったのかも不明だ。何か反応は示していたか調べてくれないか?

すまない。いや、恩に着る。ありがとう……分かった。連絡してみよう』





通信を終わりふと膝に視線の下ろすと、侵入者はもぞもぞと私の膝の上で身を捩り縮こめていた。
この生命体は私の仕事が一段落し、座席で小休憩していたら何もない空間が歪み中から現れた。


よく見ると震えている。身体をスキャンすると表面温度が低下していた。急いで私の機体温度を変化させ適温を探る。

実物で初めて見た人間は表情豊かなようで、反応が分かりやすかった。
今のところ彼女は快適なようで、私の膝に柔らかい頬を擦り付けて緩んだ顔をしている。
侵入者相手に穏やかな気持ちになるのはおかしいと考えながら、しばらくの間そのまま観察していた。

するとメガトロンから通信が入る。




『結論から言うと、反応無しだ。』
『そうか』


周囲は静寂に包まれたままでいることから、この解答は予想通りだ。


『そやつは今何処にいる。また消えたか?』
『いや、私の膝の上にまだ居る。』
『何をしている!侵入者は電磁牢に放り投げとけ!』

メガトロンの通信音量が跳ね上がる。

『しかし動くことが出来なくてな。』
『なぜだ。』
『柔らかくて動こうとしたら潰してしまいそうなんだ。』
(こんなに安らかに眠りに就いてるのに起こすのはかわいそうだろう?)



情報も聞き出さなければいけない、と付け足すと渋々ながらそのままでいいと言うメガトロン。
そしてその場でオートボットのラチェット、キュー、ディセプティコンのドクターに通信を入れ状況を伝えた。
すぐにラチェットとドクターから確認したいと返事が来たので了承する。
メガトロンも立ち会うようだ。






いまだに安らかに、寝ている人間の彼女。

できれば敵でなければいいと思いながら、彼らが来る間私は静かに彼女を見つめていた。
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