
Q.彼女はコタツで丸くなるか?(1)
『久しぶりだね』
「…うん、久しぶり」
夜の帳が深く降りていても見つけられるライムグリーンの機体。
深夜になっても眠れない幸縁が、ベッド脇の照明を灯しぼんやりしているといつのまにか現れたラチェット。窓ガラスを小突かれ、開けると挨拶された。
「どうしたの?近くに任務でもあった?」
『いや。任務は近くにも、緊急もないな。久々にまた《"人間の文化を知ろう〜っ!"》と思ってね』
「ちょっ、録音してたの!?…でも今はインターネットで一発でしょ!」
暇だったんだねっと幸縁が笑う。わざわざこっちに来なくても…と、続ける間もなく。
『それもそうだが…君と言葉を交わしたり、顔を見るのに理由などは必要なのかな?』
「いや…いらない」
嬉しくて口元が緩むのを下に向いて隠す。
『まぁ用事はあるんだがね』
「あるんかぃっ!」
閑静な住宅地に幸縁の「あるんかぃっ!」が響く。
『NEST部隊員が日本人の知り合いからもらったと言っていたな…[ダガシ]だとかいうものらしい。食べていたのをいくつか譲ってもらったのだが…君の知っている物はあるかな?』
「あぁ〜…いろいろあるね」
ビニール袋をガサガサあさる幸縁。
「あ!これね●ね●ね●ねだ!」
ありがとう!と袋から焼き●太郎とうま●棒、あと伏せ字だらけの菓子を取り出した。
『…それは食べたら眠ってしまう菓子なのか?』
「いやいや"練る"だよ。睡眠薬とか物騒な菓子だな」
ジェスチャーをつけて説明する。
「こうやって材料を混ぜ合わせて…」
イーヒッヒッヒッと笑いながら混ぜて完成!
「うまい!」
テーレッテレー!!
『笑う必要性は?』
「魔法!あと気分!」
『そうか、ふむ…』