What is bred in the bone will not out of the flesh. 2
命を踏みにじる奴、ないがしろにする奴、買う奴、奪う奴。
僕は 絶対 許さない。
そんな気持ちを汲んでかは知らないし、知りたくもないけれど、
モンキー・D・ドラゴンと名乗った、革命軍のボス。
―――僕は、革命軍と旅をしていた。
* * *
今回の件で、革命軍の同志23人の死亡が確認。重傷者は数多く。そして――行方不明者、1人。
――ルイが革命軍から姿を消した。
あの島でルイが担当した南側には死体しかなかったし、ルイの死体は見つからなかった。
革命軍の船から小舟が一艘なくなっていることに、しばらくして気が付いた。独断で、ルイは仲間の下に戻らなかったと思われる。
もし、革命軍と言う立場を押して、独断で姿を消すなら自分の方だとサボは思っていた。
ルイがドラゴンのもとから姿を消すなど、革命軍の誰も思っていなかったに違いない。
どうしてルイが急に姿を消したのかはわからないが、ただ黙ってはいそうですかと見送れるほど、見逃せるほど、サボも、コアラも、ハックも、…いや、革命軍のみな納得いくわけがなかった。
誰も裏切ったとは思っていない。だからこそ、話を聞きたかった。
「カラス、ルイを見つけ出すぞ。上空から探せば…………、そんな遠くに入っていないはずだ」
とりわけサボは怒っていた。
「そもそも23人の犠牲が出たのはルイのせいじゃねぇ。情報が遅れたのだって、仕方のない話だ。――あいつが、おれたちの前に顔も見せられないぐらいのことを、あいつは何もしてない」
上空から探せば、というサボの提案は良かった。
実際、そう遠くない場所に、革命軍の船から無くなっていた小船を見つけた。
――だが、その船には誰も乗っていなかった。
そこにあったのは銃と太刀。
一番最初に、ルイが、革命軍で任務に当たったときに、ドラゴンから渡されたものだった。
* * *
ふっつりと。
生きていた痕跡さえも、見当たらなくて。
ルイの姿は杳としてわからなかった。
それがひと月、ふた月、――み月となると、革命軍の中でも、ルイに対して不信感を持つものが出始めた。
「総長、いつまでルイを探すつもりですか?」
「あ?」
同志の一人が進言した。
「これ以上は探したって無駄だと思います。それに、いいたかないですけど、軍の下っ端連中はぜんぜん探す気がもうないです。意味無いって――裏切ったって、そういう話、広がってます」
「ルイが裏切るわけがないだろう!!」
「じゃあ何でいなくなったりしたんですか!」
おれが知るか! とサボは吼えた。だけど、と続ける。
「いいか、もしルイが本当に裏切っていたのなら、とっくに本部も、ほかの同志の拠点もCPや海兵に取り押さえられていると思え!! ここの情報全部まるっとあいつは持っているんだぞ!!」
サボの声がだいぶ外まで響いていたのか、ハックとコアラが何事かと部屋に飛び込んできた。
「今の話を全軍に伝えろ。それでもルイが裏切ったと抜かすやつがいれば、まずはおれが相手になる」
こくこく、と進言してきた同志はうなずいて、逃げるように部屋を後にした。
同志が出て行くのと入れ違いで、ドラゴンが部屋へと来た。
「ずいぶん荒れてるな……」
「ドラゴンさん!! だけど……!」
「……ルイに関しては、私が追って通達する。……ちょうどいい、全員司令室まで来なさい」
サボとコアラ、ハックを見て、それだけ言うと、ドラゴンは部屋を出て行った。
きょとん、と三人は互いに目を見合わせてから、急いでドラゴンの後を追った。
司令室の客人用の椅子に、見知らぬ男が一人、座っていた。
「待たせた」
「いいえ、お気になさらず」
ドラゴンの声に、男は淡々と返答した。その雰囲気は、なんだかルイに似ているなと、サボは思った。
「これで全員ですか?」
「ああ……。それで、ルイの居場所を知っていると、聞いたが」
「知っているというか…… ルイ、らしい人を、見かけたって話を、聞きました」
ただまぁ、今もそこにいるかはわからないですけど。と男は言う。
「その情報は信頼できるんだろうな?」
サボの言葉に、男はサボのほうを見た。
「おれたちが隊長の顔を、見間違えるはずがないだろう」
「隊長……?」
男は一度ドラゴンのほうを見て、それからサボたちのほうに向き直った。
「改めて自己紹介しよう。おれはシムラクルム。かつてコルムペリスという国にいた、ルイを隊長とする国王軍に所属していた一人だ」
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