拱く白


日頃の感謝を伝える。そう銘打って用意したプレゼントは、きっと誰かと内容が被ってしまったことだろう。

でもそれでいい。私は、彼を慕う多くいる部下の内の一人なのだから。
だからこっそり紛れ込ませておこう。そう思っていたのに。

「…」

何で部屋に二人きりになってしまったんでしょう?
おかしい。先程たしぎちゃんに聞いた時、は……

(謀られた!!)

苦楽を共にした仲間に騙されるとは。単純にへこむ。

「──オイ」
「はいっ!何でしょう准将」

反射的に返答すれば、入室した時と同様、彼は腕を組んだまま続けた。

「珍しいな。お前が"こういうの"に参加するのは」
「…すみません」
「別に怒っちゃいねぇ」
「あ、はい」

(ならよかった。本当に良かった!)

何だか不機嫌そうだと思ったのは気のせいみたい。
手汗を拭い、机に積まれたプレゼントの上に、そっと自分の物も乗せる。

「お誕生日、おめでとうございます」
「あぁ」
「これからもよろしくお願いします」

ちゃんと渡せた。想像の何倍よりもあっけなくて。肩の力が抜けて笑ってしまう。

「それでは、失礼いたします」

伝えたいことを全部声に乗せて。贈り物に込めて。

やりきった気持ちで退出した私は知らない。

組んでいた腕の中で秘かに、喜びで拳が握りしめられたことを。
渡したプレゼントが一番最初に開封されたことを。