各鯖に一つずつ演練場があって、日によって演練の行われる鯖が変わる。時の政府のそんな方針により、私は見事に迷子になっていた。今居るのは、大和国にある演練場だ。「ま、迷った…」「ひよょ…」案内図を見上げながら大きく溜め息を吐くと、肩に乗ったちいさなフクロウ、つみれも真似して溜め息を吐いた。もともと演練場は広く入り組んでいるうえ、どうやらそれぞれの鯖によって少しずつ内装が違うらしく、このまま集合時間に間に合わなければ棄権とみなされ不戦敗になってしまう。どうしようかと思った瞬間、ふと足元を何かが横切った気がした。「………ん?」なんだろう、と視線を落としてみれば、そこにはつみれと同じくらいの大きさの小さなミミズクがいた。キョロキョロ辺りを見渡しながら、せわしなくひょこひょことしている。ぴーぴーと声をあげているところを見ると、この子も私たちと同じく迷子になってしまったのかもしれない。「どうしたの?」「ひよ?」思わず屈んで声を掛けると、びっくりしたのかミミズクは大きく飛び跳ね、近くにあった消火器の陰に隠れてしまった。じとお、と見上げてくる視線が少し痛い。