ベッドに並んで腰かけて、両足をバタバタさせたりしながら、ココアを飲む。
いつも通りの夜。いつも通りの、マシュとの休息タイム。いつもと違うのは、マシュが来る少し前にうたた寝をしてしまって、夢を見ていたことくらいか。
その夢の内容を思い出しながら、わたしは笑顔をつくって呟いた。
「わたしはね、誰かの…ううん、彼の、代わりなんだよ。」
ふ、とマシュのほうを見てみると、言葉の意味が分からない、と言いたげな様子で首を傾げていた。
「代わり…先輩は先輩であって、他の誰でもありません。誰かの代わりなどではなく、私たちのマスターです。」
揺るぎのない声で、まっすぐわたしのほうを見つめて、マシュが言う。
わたしは、マスター。マシュたちの…いいや、此処カルデアの、マスター。唯一の。
「そう…だね。そう、わたしは、藤丸立香だ。他の誰でもない。…変なこと言ってごめんね、マシュ」
もう一度笑顔をつくってそう言うと、手にしていたマグカップを口元へと運ぶ。うまく、笑えていただろうか。
頭の中で、マシュの言葉がぐるぐると渦を巻く。
彼の代わりではないというのなら、本当の私は、何処に在るの?