天馬
家で明日( 遊ぶ日 )の服選び
悩む
どうしようどうしよう。こんなことならもっとかわいい服買っておけばよかった。
鏡の前に立ち、並んだ洋服を順番に着ていく作業も早一時間。なかなか明日の服が決まらない。いつもみたいにラフな格好で行けって?そんなのできるわけがない、だって明日は……そう、サッカー部の人たちと遊園地、つまり、松風君がいるわけで。今回ほど、信助と幼馴染でよかったなと思うことはないんじゃないかというくらい色々手をやいてくれたんだ、絶対に失敗はしたくない。でももういつもベッドに入る時間は過ぎている、思考の回らない頭で考えても普段からファッションセンスの欠片もないわたしはうまい組み合わせなど思い浮かぶはずもなく。いや、本当は用意しているんだ、この日のために選んだ、松風くんが好きだと言っていたシンプルな洋服。松風くんのことだし人の服ましてやいつも接点のない私の服なんて気にもしないだろう。だけど私にだって乙女心くらいある、好きな人の前ではかわいい服装でいたい。そんなことをベッドの上で考えているうちにいつの間にか眠気が。まだ明日の挨拶の言葉すら決めていないというのに。
このときばかりは自分の異常な運の悪さに乾杯だ。待ち合わせ場所にいくまで30分はかかる、現在の時間は待ち合わせの一時間前、そして私は今起きた。壊れた目覚まし時計を見て唖然としている時間すら惜しい、床に置かれた洋服を蹴散らしリビングへと向かった。
「おかーさん!なんで起こしてくれなかったの!」
乱れた髪を直しながら母の方に叫ぶと「なんども起こしにいったわよ〜」と澄まし顔。
昨日なぜあんなに悩んだのかというほどあっさり決まった今日の服、それを着ていってきますの言葉もなしに家を飛び出した。
「サッカー部のみなさーん!遅れて申し訳ございません苗字名前といいます今日はどうぞよろしくお願いします!」
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