倉間
※中3設定
このときの鍛冶屋の気持ちを30字以上40字以内で答えなさい?
こういう筆記テストって苦手なんだよなー、全部記号にしてくれればいいのに。あでもそれだとほとんどの人が正解しちゃって点数に差が付かないのかぁ。
まあまず鍛冶屋ってなんだろう…いやそもそも鍛冶ってなんて読むんだろ。そんな日常生活に関係なさそうな文章の問題出されてもワカリマセーン。もういいやとシャーペンを置いたところで、テスト終了を告げるチャイムがキンコンカンコン。先生の号令で後ろの席の生徒が一斉に回答用紙を集め始めた。
「……おい名前なんだよこれ真っ白じゃねーか」
「わっばか!勝手に人の見ないでよ!」
「うるせ、一番後ろの特権だ」
集めてやってるんだから感謝しろよとでも言いたげな倉間。私だって一番後ろの席なら何枚でも集めてやるっつーの。
「お前、ホント国語苦手だなー。塾行ってんだろ」
「わーかってないなあ倉間は。塾行ってるからってかしこい訳じゃないんだよ」
「いいから記号以外も一応埋めろ」
放課後、ほぼ白紙のテストを目撃された倉間に『勉強教えてやるよ』と言われ、教室に2人で居残ってます。
こんなんだから変なうわさが立ち込めるんだよなあ。倉間が私のこと好きだとか、2人は付き合ってるだとか。
この前勘違いされるよ、ときいたら俺は別に勘違いされてもいいけどよと言っていたこいつ。あれ、そのときはふーんで流したけどよく考えたらこれって。告白されたも同然なんじゃないの。じゃ、じゃあ私のことが好きだっていううわさも本当なんじゃないの今もテストを口実に一緒に居残りしたいだけなんじゃないのさぁ……いや、やめ。妄想終わり。
「そういやまだ志望校決まってないんだろ、どうすんだよ」
そう、私たちは所謂受験生ってやつで。文化祭も終わり冬の足音が聞こえるこんな時期にテスト真っ白な奴なんかいないんだよ、普通は。このままじゃ内申も少ないし公立には行けないぞと先生に言われたところだった。もともと高校はどこでもいいやと思ってたんだけど……でも今はさ。
「ねえ倉間。あんたの行きたいとこってかしこかったっけ」
「あー?いや全然、全然かしこくねえけど」
「そっか」
ちょっと前に聞いていた、まあまあ有名どころの学校。サッカーが強いんだって。
「なんだよ名前、俺と同じところ行きたいってか」
この倉間のにやにやした顔の思いどうりにはさせたくなかったんだけどなあ。
「うん、そう」
「……じゃあもうちょい勉強頑張れよ」
お前にとってはハードル高いんだからなと笑う倉間。もう、今は好きとか恋とかなんでもいいや。この笑顔をずっと見ていたいんだよ。
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