赤いアナタに唇寄せて
「ルナマリアって何カップ?」
「っ……げほっげほ」
食堂にて突拍子もない事を聞かれ、飲んでいた炭酸飲料でむせた。
「大丈夫?」
「さ、触んないで」
背中をさすろうとするシンを手で制し、止めた。
「背中触られたら感じちゃうとか?ルナってばビンカーン」
「ばっ、ばか!」
わざとらしく大きな声で言うシンの口をルナマリアは慌てて塞いだ。
「むぐ」
「あんたはずーっとそうしてなさい。きゃっ」
塞いだ手に唇とは別の柔らかい感触がし、口から手を離した。
「それってルナがずっと俺に触ってたいって事?」
「ち、ちがっ……ていうか舌で手を嘗めないでよ!」
「今更手ぐらいで何言ってんだよ。いつも……いてっ」
ルナマリアはシンの頭を机に押しつけた。ゴンと鈍い音がするがそれだけ恥ずかしい事を言ったのだ。当然の報いだろう。
「ルナ〜」
「もう変な事言ったりしないなら手、離してあげる」
両手をばたばたとさせるシンを見ながらルナマリアは勝ち誇った表情をした。
「わかった、わかったから」
「よろしい」
手を離してやると額をさすりながら何やら不満そうなシンがジト目で見てきた。
「何よ」
「すっっっごい痛いんですけどー」
大袈裟なような気もするが確かにシンの額は微かに赤くなっていた。
「ジュース奢ってあげるわよ」
それでチャラにしなさいと言わんばかりに席を立ち上がるとシンに腕を掴まれた。
「何よ、ジュースじゃ足らないの?」
「嘗めてよ」
それが当たり前かのように平然と言うシンにその場で固まる。
「ほら、嘗めれば治るから」
前髪を片手で掻きあげルナマリアに額を突き出す。
もう片方の手はルナマリアを掴み離さない。
「……目瞑りなさいよ」
辺りを見回し誰もいない事を確認すると呟いた。
頬をほんのり赤らめたルナマリアが可愛くてシンは笑うと言われた通りに目を伏せた。
しばらくすると柔らかく暖かいものが額にそっと触れた。
「今回だけだからね」
「それは約束できないなー、ルナにいっぱい嘗めてもらいたいし」
その言葉に含まれた意味がわかりルナマリアは顔を赤らめた。
「馬鹿っ!」
「馬鹿でいいよ、ルナ馬鹿だから」
笑顔でそう言うシンが恥ずかしくも嬉しく感じ、照れ隠しかのようにルナマリアはそっぽを向いた。
―たまにはいいかなと
私からアナタに触れてみる
いつでも赤いアナタの瞳
映る私は赤い?
燃えるほどに赤く
それは中を駆け巡る
ほてった身体は
アナタの中へ……
いつしかアナタも赤い
いつも赤い?
きっと二人一緒だからね
だから私は
赤いアナタに唇を寄せる―
H17.7.9
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