できるなら応援したい
「あっ!」
「何よ、いきなり」
購買に行こうとお財布を探している時に思いついてしまい、大きな声が出てしまった。
待っていてくれたルナマリアが訝しげな目で見ている。
「約束しないと」
「約束?ああ、中等部の子?別に放課後行くのが最近お決まりなんだしいいんじゃない?」
「だめ!」
こうやって思いついた時は即行動しないと後悔するパターンに違いない。
「……好きなの?」
「嫌いな人にわざわざ会いに行かないわよ」
憎んでて復讐とかしたいならまだしも。
おかしな事を聞くなと思うとルナマリアはしばし凝視してから私の肩を叩いた。
「いってらっしゃい」
「うん!この埋め合わせはするから」
はいはいと言うようにさっさと行けと手を背中を押してくる。
「別にいいわよ」
「でもお昼一人にしちゃうし……あっ!」
「だからいきなり大きな声を出さないで」
徐々に教室から押し出されながらまた思いついた。
というより聞きたかった事を思い出した。
「この前隣のクラスのなんていったけ……おーくれーって、いう人がシャーペン返しに来たじゃない?」
名前を出した途端に押し出す手がわずかに反応した気がした。
「好きなの?」
何でそう思ったかはわからない。
シャーペンは私が預かって、ルナマリアはその時いなかったわけだし。
でもそのシャーペンを通じての二人のやりとりをだいたいは知っていた。
だから何となく気になったのだ。
「何でそう思うのよ」
これは不機嫌な時のトーン。
それを聞いて確信する。
「べっつに」
ルナマリアから離れるように廊下に跳びはねるように出る。
振り返ると何ともいえない表情。
これは気にはなっているという事。
「じゃあ行ってくるわね」
「あっ!話の途中なのに!それと廊下は走らない!」
走り出した私に対して言われた言葉に笑ってしまう。少しだけ走る速度を緩めて軽く振り返ると廊下にはルナマリアが佇んでいた。
この学園に来て、多分今までで一番話しやすい友達ができた。
できるなら彼女の応援はしたい。
スティング次第という事か。
「いってきま〜す!」
「ちゃんと前見なさい!」
少し距離が離れてるにも関わらずよく聞こえる声。
私はその声を背に約束をしたい彼の元へ向かった。
H21.3.7
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