Liar honey,fallin' love with you...Truth


 


「シーンっ!」
「わっ」

自室に戻ろうとドアのロックをはずそうとした瞬間、目の前が真っ暗になった。

「誰だと思う?」
「“ラクス様”」

誰かはわかりきっているのに意地悪で言ってやると両頬を摘まれた。

「いはいっふぇ」
「馬鹿シンー阿呆シンー」
「いって」

悪口と共に頬から手が勢いよく離されひりひりする。

「何すんだよ、ミー……」
「こっち向かないで!!」

振り向こうとするが背中を両手で押さえられ振り向けない。

「向かなきゃ話せない」
「向かなくても話せるから」

無理やり振り向く事もできるがそれでは何の解決にもならない。
何か理由があって彼女は振り向くなと言っているのだから。

「誕生日おめでとう、シン」

背中越しに言われた言葉。額を背中につけているのか、僅かに暖かさが伝わる。

「やっ!?」

シンは振り向くとミーアを抱き締めた。逃げだそうとミーアは体に力を入れる。

「見てない」
「嘘……」
「目、閉じてた」

振り向いた時は両目を伏せていた。その言葉を聞いてもミーアは嘘と小さく呟く。

「嘘じゃない」
「嘘なのよ……」

弱々しく言いながらミーアはしがみつくようにシンの背中に両腕を回した。

「うそつき」
「っ!?」

シンの言葉にミーアは驚き体を少し離し、シンの顔を見た。
今にも泣きそうで不安な表情をしているミーアに対してシンは少し笑んでいるように見えた。

「俺の顔見ないで言いたいわけじゃないだろ?」

ミーアは何も言わず視線を逸らし下を向いてしまった。

「何もかもが嘘なんてないよ。むしろ嘘だらけだけど、どこかに真実ってあるんだ」
「シン……?」
「ん?」

顔をあげ首を少し傾けるミーアに、シンもわずかに首を傾けてやる。

「誕生日おめでとう」
「ありがとう」

ミーアは笑顔でシンの目を見ながら言った。本当は始めからこうして言いたかったのに、言えなかった。こうする事が怖いと感じた。

「プレゼントは?」
「えっ!?」
「何、その驚き」

笑顔でいたがミーアの驚きを見て不機嫌そうな表情に変わる。
ミーアは視線を宙に泳がせ、えーとと言い訳を考えているように見えた。

「うそつき!くれるって言ったのにっ!」
「忙しくて買う暇がなくて……な、何?」

涙目で訴えてくるシンにミーアは苦笑いを浮かべた。
すると異様に腰を触られている気がして何かと聞く。

「もらうから」
「ちょっ、ちょっと待って!嫌、駄目!」
「聞こえない」

全力で逃げようとするミーアの腕を掴むとドアを開き、入って行ってしまった。



H17.8.31



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