Pandora-土-
あたしは
あなたの
パンドラの箱
「アスラーン!!」
「ミーア……」
アスランを探していた。
だっていないんだもの。まるで避けられてるみたい。
駆けよって腕を絡める。
「離れてくれないか?」
「どうして?」
「どうしてって……」
理由なんてわかる。ラクス様がいるから。
知ってる。でも今ぐらいはいいじゃない。
「ラクスはこんな事しない」
じゃあラクス様ならどんな事ならするの?
教えて。貴方が好きになったラクス様を。愛してるラクス様を。
「ミーア、会う度に抱きつくのはやめてくれないか?」
「あたしに抱きつかれるの……嫌?」
アスランは黙ってあたしから顔を逸らす。
だって貴方の顔が見たくないの。
でも触れたいの。
「アスランは……ラクス様の事好き?」
またその顔。
笑いそうなのに笑えない寂しそうな顔。
ミーアなら暖かいから貴方に温もりをあげる。
知ってた。
貴方にとってあたしは希望であって絶望。
貴方の愛してる人の姿をしてるのに
貴方が求めてる人ではない
届かない蜃気楼
届いても掴む事ができない蜃気楼
埋めてしまいたい?
あたしもあたしを埋めてしまいたい。
貴方が近付く土の音だけを感じて。
それだけで幸せなの。
あたしを“ラクス”と呼ばずに
“ミーア”と呼ぶ貴方は
パンドラの箱を開けた
希望と絶望は同じ
全て幻だと
埋めて
「アスラン」
「何だ?」
ただ呼ぶだけ。
あたしは幸せなの。
叶わない幸せが幸せなの。
あぁ
あたしも
パンドラの箱を開けていたのね
楽になりたいとは思わない
貴方もあたしも
それが真実
幻でも真実なんて
……素敵ね
息苦しくも
心地よい土の中
その音を聞いて……
あなたは
あたしの
パンドラの箱
あたしは
あなたの
パンドラの箱
あなたの
もう一つの
パンドラの箱は
何処……
あたしが
掘り返してあげる
だから
最後に
笑って
あたしに
“希望”を
見せて
ねぇ……アナタ
H17.9.12
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