『キラ&アスラン編』


 


朝、目が覚めるとシン・アスカくんには突然犬耳と尻尾がついていました。
鏡を見てシンくんは大慌て。どうしたものかと考えた末、誰かに助けを求める事にしました。
耳は帽子で隠し、尻尾は窮屈ですがズボンで隠しました。わざわざ外に出なくても連絡すればいいような気もしますが、外出していただきましょう。

「今日は誕生日だってのにツイてない」

ツイてるツイてないの問題でもないような気がします。
そう、今日はシンくんの誕生日なのでした。

「結局ここに来ちゃうのか……」

困った時の頼み綱。シンくんはキラさん宅の前まで来ていました。
時に頼りにはなりますが、高い確率で彼は面白い方向へ持っていこうとします。
そんな危険人物に助けを求めようなどと自滅行為です。
でもこんな状態を信じてくれそうな人が他に思いつかなかったのでした。

「いる、といいな」

インターホンを押すと少しだけシンくんは緊張していました。
いない方がいい気がするからかもしれません。でもいてくれないとこのあとどうしたらいいのか。
などと考えていると扉が開きました。

「あれ、シンくんどうしたの?」

キラさんはシンくんの誕生日を知らないのでしょう。いつもどおりの対応です。
シンは少しだけ期待していたようです。

「あの、ちょっと困った事になって」
「どうした?シンじゃないか」

奥からは聞き覚えのある声が。アスランさんでした。

「ここじゃ何だし入ったら?」
「はい、お邪魔します」

キラさんに促され、キラさん宅へ。
シンくんはいきなり帽子を取ったら驚かれそうで、取らずにソファーに座りました。

「シン、家の中でぐらい帽子は取ったらどうだ?」

向かいに座ったアスランさんはシンくんの帽子が気になったようです。他意はありません。

「取りたいんですけど……」
「何?困った事って帽子が取れなくなったとか?」
「あっ」

後ろから声がした時には既にキラさんに帽子を取られていました。
沈黙が流れます。
二人の視線はシンくんの頭に注がれたまま。

「……付け耳?」
「いっ!」

茶色い耳を軽く摘まれるとシンくんは痛みを感じました。
その反応にキラさんは手を離します。

「キラ、お前が何かやったんじゃないか?」
「僕がやったならわざわざ付け耳かなんて確認する必要ないじゃないか」

再び二人の視線はシンくんの耳へ。
その視線にシンくんは段々堪えられなくなってきました。

「すみません!帰りますっ!」
「「えっ?」」

シンくんは逃げるように立ち上がり一目散にキラさん宅を飛び出してしまいました。
二人は呆然とシンくんが走り去ったあとを見ていました。

「……尻尾もあるのかな」
「そういう問題じゃないだろ」

結局シンくんは二人からは何も聞けず。
すぐに戻るのも恥ずかしくて町をとぼとぼと歩くしかありませんでした。




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